The Dudek, Finnigan, Krueger Band / DFK (1980年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、The Dudek, Finnigan, Krueger Bandの1980年のアルバム『DFK / D.F.K.バンド・デビュー』の紹介です。

The Dudek, Finnigan, Krueger Band / DFK (1980年) フロント・カヴァー

The Dudek, Finnigan, Krueger Bandは、Les Dudek(g), Mike Finnigan(k), Jim Krueger(g)の3人に、Trey Thompson(b), Bill Meeker(ds, per)のリズム隊を加えた5人編成のロック・バンド。フロントの3人の名前がバンド名になっている。

Les Dudekは、Boz Scaggsの名作『Silk Degrees』(76年)にも参加したギタリストで、『Silk Degrees』と同じ年に最初のソロ・アルバム『Les Dudek』を、Boz Scaggsのプロデュースのもとに出している。

Mike Finniganは、Dave Masonなど様々なミュージシャンと共演してきたセッション・キーボード奏者。歌唱力もあり、自身のソロ・アルバムでの歌いっぷりはBill Champlinのようにパワフルで、特に2作目の『Black & White』(78年)は、AORの人気作になっている。

Jim Kruegerは、Dave Masonのバック・バンドのギタリスト。唯一のソロ・アルバム『Sweet Salvation』(78年)では、Michael Omartianがプロデュースを担当している。

この『DFK』は彼らの唯一のアルバムで、豪快で躍動感のあるアメリカン・ロックをたっぷり味わえる。「I Know You're In There」は、ゲスト・ミュージシャンのMax Gronenthalのアルバム『Whistling In The Dark』(79年)からの選曲だが、それ以外はメンバーの自作になっている。

キャッチーなメロディとダイナミックな演奏が魅力の「Angels Fall」は、DFKの良さを凝縮した爽快な一曲。この曲はJim Kruegerの作で、リード・ヴォーカルとリード・ギターもJimが担当している。Jim Kruegerは「It's All About You」と「You Cut So Deep」も書いており、サビのメロディの爽やかさが特徴。

リード・ヴォーカルについては、KruegerとDudekが1曲ずつ(1, 6)を担当し、残りをFinniganが主に歌っている。三者三様の個性があり、Kruegerは爽やか、Dudekは独特のしゃがれ声、Finniganはソウルフルでパワフルだ。このうち、Finniganの歌う「Just Like The Weather」がシングル・カットされている。

ギター・ソロについては、Kruegerが3曲(1, 5, 8)、Dudekも3曲(2, 6, 7)を担当し、重厚感のあるナンバーの「Drinkin' Alone」はツイン・リード。この曲では、リード・ヴォーカルもMax GronenthalとFinniganのツインになっており、中盤から後半にかけて曲を盛り上げる。

バラード曲がなく、ロック・ナンバー主体でグイグイ押すところはワイルドだけれど、どこか垢抜けている。2006年にCD化された際には未発表の2曲がボーナス・トラックになり、これも割とハードなロック・ナンバー。どちらも、Les Dudekのリード・ヴォーカルがいい味を出している。

●収録曲
  1. Angels Fall - 4:54
  2. Just Like The Weather - 3:30
  3. Drinkin' Alone - 5:00
  4. I Know You're In There - 3:56
  5. It's All About You - 3:43
  6. Just Be Happy - 4:31
  7. That's Wrong - 4:00
  8. You Cut So Deep - 4:57
  9. Livin' In Hollywood (bonus track) - 4:12
  10. The Stranger (bonus track) - 3:47

◆プロデュース: James Newton Howard(k), Andy Jones

◆参加ミュージシャン: Les Dudek(g, vo), Mike Finnigan(k, vo), Jim Krueger(g, vo), Trey Thompson(b), Bill Meeker(ds, per)
with Max Gronenthal(k, vo), Bobbye Hall(per)

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