Fred Knoblock / Why Not Me (1980年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Fred Knoblockの1980年のアルバム『Why Not Me』の紹介です。

Fred Knoblock / Why Not Me (1980年) フロント・カヴァー

Fred Knoblockはアメリカの主にカントリー・シーンで活躍するシンガー・ソングライター。デビューは1980年で、そのデビュー曲「Why Not Me」はBillboard Hot 100チャートの18位、AC(Adult Contemporary)チャートの1位になるヒットを記録している。翌年には、Susan Antonとデュエットした「Killin' Time」がカントリー・チャートの10位になったほか、「Memphis」も同チャートの10位を記録。その後は目立ったヒット曲はないものの、今も活動を続けている。

このアルバムはFred Knoblockが残した唯一のアルバム。カントリーではなく、ピュアなAORのアルバムで、Bill LaBountyあたりが好きな人のツボを刺激しそうな癒しの曲をたくさん揃えている。

ヒットした「Why Not Me」は、かつての恋人の結婚式に参列した男が "どうして僕じゃないの?" と思う切ない歌。角松敏生にも似たようなシチュエーションの曲があったけれど、Knoblockのほうは素朴で繊細に歌っている。とてもいい曲だ。

「Let Me Love You」は、このアルバムからの2枚目のシングルとなって、カントリー・チャートでは53位を記録。この曲や「Still Feel The Same Way」のメロディは、まるでBill LaBounty。ほろ苦いけれど、親しみをもてる。

「A Bigger Fool」や「It's Over」はソウル・フィーリングのある曲。爽やかでメロウな「A Bigger Fool」は、この頃の流行りなのか、"fool" というフレーズを使用。「It's Over」は、ややファンキーな味つけのシティ・ソウルで、間奏のギターの音が気持ちいい。

バック・ミュージシャンにはYellowjacketsのRussell Ferrante(k)が参加。ドラムスとプロデュースを担当したJames Stroudは前の年にMarilyn Scottの『Dreams Of Tomorrow』をプロデュースしており、そのMarilyn Scottもバック・ヴォーカルで参加している。

●収録曲
  1. Why Not Me - 3:43
  2. Take A Flight Tonight - 3:41
  3. Let Me Love You - 3:05
  4. Laugh It Off - 3:16
  5. Can't Keep From Crying - 3:33
  6. Can I Get Wish / はかない願い - 2:55
  7. A Bigger Fool - 3:15
  8. Love Isn't Easy - 3:33
  9. Still Feel The Same Way - 3:16
  10. It's Over - 3:41
  11. Father - 3:27

◆プロデュース: James Stroud(ds, per, bv)

◆参加ミュージシャン: Fred Knoblock(vo, g), Larry Byrom/Gerry Pucket(g), Russell Ferrante(k), Steve Hulse(k, string ar), Don Barrett(b, bv), Marilyn Scott/JoAnn Harris(bv)

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