Toby Beau / If You Believe (愛のスケッチ) (1980年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Toby Beauの1980年のアルバム『If You Believe / 愛のスケッチ』の紹介です。

Toby Beau / If You Believe (愛のスケッチ) (1980年) フロント・カヴァー

Toby Beauはアメリカのテキサスで1974年に結成されたポップ・カントリー・グループ。3枚のアルバムがあり、このアルバムが3作目にあたる。

カラフルなジャケットに写る男性がToby Beauに思えるが、そうではない。Toby Beauはグループ名で、ジャケットの男性はToby BeauのリーダーであるBalde Silva。デビュー時の彼らは5人組であったが、メンバーが次々に抜け、このアルバムのリリース時にはリーダーのBalde Silvaだけが残った。従って、ジャケットには "Toby Beau is Balde Silva." と書かれている。

後にThe Joe Chemay Bandを結成するJoe Chemay(b), Billy Joe Walker Jr.(g), John Hobbs(k)や、売れっ子サックス奏者のErnie Wattsが参加しており、演奏とサウンドはしっかりしている。

AOR好きには、Joe ChemayがDavid Batteauと共作したポップな「One Needs Another / 輝く君の瞳」や、Peter McCann作のロック・チューン「Little Miss American Dream」、Kenny Logginsの従兄弟であるDave Logginsが書いたバラードの「My Dream Love」が気になるところ。

だが、本作の一番は「If I Were You / 愛を受けとめて」。この素敵なメロウ・チューンは、プロデューサーのJerry FullerとJohn Hobbsの共作。アレンジがすっきりしており、穏やかなエレピとSax、美しいコーラスに包まれたロマンティックなナンバーだ。

この曲はシングル・カットされ、Billboard Hot 100チャートの70位をマーク。また、「One Needs Another / 輝く君の瞳」はThe Joe Chemay Bandの82年のアルバム『The Riper The Finer / L.A.プレゼンツ』でリメイクされた。

本作は2001年に日本で世界初CD化され、2016年にはソニーの「AOR CITY 1000」シリーズからも再発。スウィートで爽やかな曲が多いし、ジャケットも爽やかなので、邦題には愛や恋や君がいっぱいになっている。

●収録曲
  1. Could It Be Love / 愛を教えて - 4:06
  2. If I Were You / 愛を受けとめて - 3:24
  3. One Needs Another / 輝く君の瞳 - 3:05
  4. If You Believe - 3:58
  5. Ships In The Night / 風に揺れる恋 - 3:48
  6. Little Miss American Dream - 2:50
  7. Give Me A Sign - 3:08
  8. You Caught Me With My Love Down / 愛のキャッチ・ダウン - 3:20
  9. As Far As I Can See / 明日の約束 - 3:27
  10. My Dream Lover - 3:55

◆プロデュース: Jerry Fuller

◆参加ミュージシャン: Balde Silva(vo, g, harmonica)
with Billy Joe Walker Jr.(g), John Hobbs/Larry Muhoberac(k), Joe Chemay(b, bv), Steve Turner(ds, per), Bob Zimmitti/Joe Clayton(per), Ernie Watts(sax)

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