Toby Beau / If You Believe (愛のスケッチ) (1980年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Toby Beauの1980年のアルバム『If You Believe / 愛のスケッチ』の紹介です。
Toby Beauはアメリカのテキサスで1974年に結成されたポップ・カントリー・グループ。3枚のアルバムがあり、このアルバムが3作目にあたる。
カラフルなジャケットに写る男性がToby Beauに思えるが、そうではない。Toby Beauはグループ名で、ジャケットの男性はToby BeauのリーダーであるBalde Silva。デビュー時の彼らは5人組であったが、メンバーが次々に抜け、このアルバムのリリース時にはリーダーのBalde Silvaだけが残った。従って、ジャケットには "Toby Beau is Balde Silva." と書かれている。
後にThe Joe Chemay Bandを結成するJoe Chemay(b), Billy Joe Walker Jr.(g), John Hobbs(k)や、売れっ子サックス奏者のErnie Wattsが参加しており、演奏とサウンドはしっかりしている。
AOR好きには、Joe ChemayがDavid Batteauと共作したポップな「One Needs Another / 輝く君の瞳」や、Peter McCann作のロック・チューン「Little Miss American Dream」、Kenny Logginsの従兄弟であるDave Logginsが書いたバラードの「My Dream Love」が気になるところ。
だが、本作の一番は「If I Were You / 愛を受けとめて」。この素敵なメロウ・チューンは、プロデューサーのJerry FullerとJohn Hobbsの共作。アレンジがすっきりしており、穏やかなエレピとSax、美しいコーラスに包まれたロマンティックなナンバーだ。
この曲はシングル・カットされ、Billboard Hot 100チャートの70位をマーク。また、「One Needs Another / 輝く君の瞳」はThe Joe Chemay Bandの82年のアルバム『The Riper The Finer / L.A.プレゼンツ』でリメイクされた。
本作は2001年に日本で世界初CD化され、2016年にはソニーの「AOR CITY 1000」シリーズからも再発。スウィートで爽やかな曲が多いし、ジャケットも爽やかなので、邦題には愛や恋や君がいっぱいになっている。
- ●収録曲
- Could It Be Love / 愛を教えて - 4:06
- If I Were You / 愛を受けとめて - 3:24
- One Needs Another / 輝く君の瞳 - 3:05
- If You Believe - 3:58
- Ships In The Night / 風に揺れる恋 - 3:48
- Little Miss American Dream - 2:50
- Give Me A Sign - 3:08
- You Caught Me With My Love Down / 愛のキャッチ・ダウン - 3:20
- As Far As I Can See / 明日の約束 - 3:27
- My Dream Lover - 3:55
◆プロデュース: Jerry Fuller
◆参加ミュージシャン: Balde Silva(vo, g, harmonica)
with Billy Joe Walker Jr.(g), John Hobbs/Larry Muhoberac(k), Joe Chemay(b, bv), Steve Turner(ds, per), Bob Zimmitti/Joe Clayton(per), Ernie Watts(sax)
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