Andrew Gold / What’s Wrong With This Picture? (自画像) (1977年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Andrew Goldの1977年のアルバム『What's Wrong With This Picture? / 自画像』の紹介です。
Andrew Goldはカリフォルニア生まれのシンガー・ソングライター。多彩な楽器を使いこなすマルチ・プレイヤーとしてLinda Ronstadtの70年代のヒット・アルバムを始めとする様々なアーティストのレコーディングを支えたほか、80年代に入ると10ccのGraham GouldmanとWaxというユニットを組んでアルバムを出したり、矢沢永吉のアルバムをプロデュースするなど幅広く活動し、2011年に59歳で他界した。
本作はAndrew Goldのセカンド・アルバム。Linda Ronstadtのプロデューサーとして知られるPeter Asherがプロデュースを担当し、ポップで爽やかなウェスト・コースト・サウンドを満喫できる内容になっている。
収録された11曲のうち8曲は自作のナンバーで、その中からキャッチーなメロディの「Lonely Boy」がBillboard Hot 100チャートの7位をマーク。Andrew Gold初(かつ唯一)のTop 10ヒットとなった。この曲のカッコいいギター・ソロはWaddy Wachtel、フレッシュなバック・ヴォーカルはLinda Ronstadtである。
残り3曲は、Manfred Mannの64年のヒット曲「Do Wah Diddy Diddy」、Buddy Holly作のスロー・バラード「Learning the Game」、Maurice Williams作のドゥー・ワップ・ナンバー「Stay」をカヴァー。「Stay」はJackson Browneも同じ年のアルバム『Running on Empty / 孤独なランナー』でカヴァーしている。
ところで、このアルバムのタイトルは「この絵のどこが間違っていますか?」。実はジャケットが間違い探しになっており、割とたくさんの間違いが仕込まれている。オフィシャル・サイトの「Game」メニューでは、実際にこのジャケットの間違い探しを楽しむことができる。
ラストの「One of Them Is Me / このままでいたい」は穏やかで暖かいナンバー。こうした曲での爽やかな癒しはこの人の一番の魅力だ。99年のアルバム『Warm Breezes』のタイトル曲も同じ味わいの爽やかな曲。自分のAuthor Nameはこの曲から取っている。
- ●収録曲
- Hope You Feel Good - 4:49
- Passing Thing / 過ぎゆく日々 - 4:08
- Do Wah Diddy Diddy - 2:52
- Learning the Game / 人生はくりかえし - 4:08
- Angel Woman - 1:38
- Must Be Crazy - 4:13
- Lonely Boy - 4:24
- Firefly - 3:23
- Stay (Maurice Williams) - 4:45
- Go Back Home Again / 家へ帰ろう - 3:10
- One of Them Is Me / このままでいたい - 4:00
◆プロデュース: Peter Asher(per, bv)
◆参加ミュージシャン: Andrew Gold(vo, g, k, b, ds, per), Waddy Wachtel/Danny Kortchmar/Dan Dugmore(g), Brock Walsh(k, bv), Clarence McDonald(k), Lee Sklar(b), Kenny Edwards(b, bv), Russ Kunkel/Michael Botts(ds), Linda Ronstadt(bv), etc
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