LeBlanc & Carr / Midnight Light (1977年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、LeBlanc & Carrの1977年のアルバム『Midnight Light』の紹介です。

LeBlanc & Carrは、マッスル・ショールズでセッション・ギタリストとして活動していたPete Carrと、シンガー・ソングライターのLenny LeBlancが結成した爽やかなデュオ。この『Midnight Light』は、彼らの唯一のアルバムである。
このアルバムの前の年に、二人はそれぞれ最初のソロ・アルバムを出しており、お互いのアルバムに参加している。Peteのファースト・アルバム『Not A Word On It』にはLennyがベーシストとして参加し、続いてLennyのファースト・アルバム『Lenny LeBlanc』のプロデュースをPeteが担当した。
本作のプロデュースもPeteが担当。収録曲に関しては、Peteが3曲(3, 8, 10)、Lennyも3曲(2, 4, 9)を書き、残りをカヴァー曲と外部のライターの曲で構成している。Lennyの曲は甘酸っぱいメロディのバラード系なのに対し、Peteの曲はからっと乾いたギターを気持ちよく響かせるロック系。両者のコントラストがいい。
ここから、Lennyの書いた「Falling」がシングル・カットされ、Billboard Hot 100チャートの13位になるヒットを記録。胸がキュンキュンするような甘酸っぱいメロディと、それを包む柔らかいハーモニーが絶品で、なかなか他では聴けないような名バラードになっている。
「Stronger Love」は、Peteと同じマッスル・ショールズで活動するソングライターのRobert Byrneの作。メロウで軽やかなグルーヴはRobert Byrneならでは。
カヴァー曲のうち、ノリのいい「Something About You」はFour Topsの65年のヒット曲(米19位)。スワンピーな「Johnny Too Bad」は、Jimmy Cliff主演の72年の映画『The Harder They Come』のサントラの収録曲で、サントラではレゲエ・グループのThe Slickersが演奏している。また、「Desperado」では、The Eaglesの73年の名盤『Desperado』のタイトル曲をカヴァー。爽やかな "ならず者" という感じ。
前年の二人のソロ・アルバムもいい内容。特にPete Carrの『Not A Word On It』は、Peteが気持ちよくギターを弾きまくるロック・フュージョン・アルバムで、Jeff Beckあたりが好きな人にもおすすめ。
- ●収録曲
- Something About You - 3:16
- Falling - 3:08
- How Does It Feel (To Be In Love) - 3:45
- Midnight Light - 3:30
- Stronger Love - 3:40
- Johnny Too Bad - 3:10
- Desperado - 4:34
- Coming And Going - 3:05
- I Need To Know - 3:30
- I Believe That We - 4:18
◆プロデュース: Peter Carr(g, bv, ar)
◆参加ミュージシャン: Lenny LeBlanc(vo, ag)
with Robert Byrne(g), Randy McCormick/Clayton Ivey(k), Bob Wray(b), Roger Clark(ds), etc
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