Valerie Carter / Just a Stone’s Throw Away (1977年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Valerie Carterの1977年のアルバム『Just a Stone's Throw Away / 愛はすぐそばに』の紹介です。
Valerie Carterはフロリダ生まれの女性シンガー・ソングライター。21歳になる年にHowdy Moonというトリオでデビューした彼女は、Little FeatやJames Taylorなどのバック・ヴォーカルを担当した後に、この『Just a Stone's Throw Away』でソロ・デビューをしている。
Little FeatやEW&Fを手がけたGeorge Massenburgがプロデュースを担当し、Little FeatのLowell Georgeが2曲(6, 7)、EW&FのMaurice Whiteが2曲(5, 8)で共同プロデューサーになっている。
Valerie Carterはとびきりの美声で、彼女がもの憂げに、頼りなげに歌う「Ooh Child」や「Cowboy Angel」では、その歌声の強い魅力に抗いようもなく惹かれてしまう。「Ooh Child」は、Five Stairstepsというソウル・グループの70年のヒット曲(米8位)をカヴァーしたもので、爽やかな原曲が魅惑のナンバーに生まれ変わっている。
Valerie Carterは3曲(2, 7, 9)の曲作りに参加し、残りはカヴァー曲などで構成。「Face Of Appalachia」はJohn SebastianとLowell Georgeの共作で、Johnのアルバム『Tarzana Kid』(74年)の収録曲。ブルージーなタイトル曲の「A Stone's Throw Away」は、Barbara Keithのアルバム『Barbara Keith』(73年)からのカヴァーだ。また、ピアノのイントロが美しい「Heartache」はLowell Georgeの作で、本人も79年のソロ・アルバム『特別料理』に収録している。
バック・ミュージシャンにはLittle FeatとEW&Fのメンバーが多く参加した。Al McKayやMaurice White等、EW&Fのメンバー5人が共作したファンキーなナンバーの「City Lights」では、Valerie Carterのセクシーな歌声を聴くことができる。
Valerie Carterは2017年の3月に64歳で帰らぬ人に。ちなみに、Jackson Browneの80年のヒット曲「That Girl Could Sing / 風のような女」(米22位)や、Steve Winwoodの82年の曲「Valerie」(米70位)は、彼女のことを歌ったと言われている。Steve Winwoodの「Valerie」は私の大のお気に入りです。
- ●収録曲
- Ooh Child - 2:56
- Ringing Doorbells In The Rain - 2:40
- Heartache - 2:55
- Face Of Appalachia - 4:15
- So, So, Happy - 3:42
- A Stone's Throw Away - 3:59
- Cowboy Angel - 3:51
- City Lights - 3:18
- Back To Blue Some More - 5:49
◆プロデュース: George Massenburg, Lowell George/Maurice White(bv)
◆参加ミュージシャン: Valerie Carter(vo), Bill Payne/David Campbell(ar), Al McKay/Fred Tacket/John Hall(g), Bob Glaub/Chuck Rainey(b), Ernie Watts(sax), Fred White/Jeff Porcaro(ds), Jackson Browne/Deniece Williams/Linda Ronstadt(bv), etc
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません