Peter McCann / One On One (1979年) – アルバム・レビュー

2023年5月18日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Peter McCannの1979年のセカンド・アルバム『One On One』の紹介です。

Peter McCann / One On One (1979年) フロント・カヴァー

Peter McCannはアメリカのソングライター。有名なところでは、Jennifer Warnesの1976年のアルバム『Jennifer Warnes』からのヒット曲「Right Time of the Night / 星影の散歩道」(米6位)や、Whitney Houstonの85年のデビュー作『そよ風の贈りもの』に収められた「Take Good Care Of My Heart / やさしくマイ・ハート」(Jermaine Jacksonとデュエット)などを書いている。

また、Paul Ankaの83年のアルバム『Walk A Fine Line / マイ・ソングス~朝のとばりの中で』に収録された優美なバラード「This Is The First Time」もPeter McCannの作。

Peter McCannにはソロ・アルバムが2枚あり、77年の1作目『Peter McCann』からは、「Do You Wanna Make Love / 恋人たちの午後」のヒット(米5位)が生まれている。この『One On One』は2作目で、収録曲は全てPeter McCannによる作詞・作曲。穏やかで繊細なメロディを備えた、優しさ溢れる曲が揃っている。

爽やかな「Step Right Up」は、同年のLeah Kunkel(リア・カンケル)のデビュー作『Leah Kunkel / リア』でカバーされた。Thanks Toに、「Thanks to Leah Kunkel for vocal ideos on "Step Right Up"」と記されているので、彼女が曲のアイデアを与えたようだ。Peter McCannは、Leah Kunkelの80年のセカンド・アルバム『I Run With Trouble』にも優しいバラード「Hard Feelings」を提供している。

Peter McCannの作るメロディにはもの悲しさがない。優しくピュアなメロディはJimmy Webbの作るメロディにも似ている。また歌声は、Art Garfunkelのような高めのテナー・ヴォイス。ロマンティックな「Road To Love」や「All You Got To Do」などは、Art Garfunkelの初期のアルバムの曲のよう。

ジャケットからはみ出しそうなほどのアップで写る毛むくじゃらの顔は相当な迫力。首元が見えないので、何だか不自然だし。レコードだとさらに凄みがありそうだが、癒しと安らぎのアルバムである。

●収録曲
  1. Just One Woman - 2:40
  2. Love This Time - 3:04
  3. What's He Got - 4:23
  4. Damned If I Love You - 2:58
  5. Don't Take It Out On Me - 3:33
  6. Step Right Up - 3:44
  7. Road To Love - 3:06
  8. Come By Here - 2:51
  9. All You Got To Do - 4:20
  10. That's Just The Way That I Feel - 3:42

◆プロデュース: Hal Yoergler

◆参加ミュージシャン: Pete McCann(vo, k), Gerorge Marinelli/Tim Weston(g), Mike Utley(k), Scott Chambers/Brian Garofalo(b), Michael Botts(ds), David Woodford(sax), Matthew McCauley/Steve Dorff(string ar), etc

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