Mark Winkler / Jazz Life (1982年) – アルバム・レビュー

2019年11月16日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Mark Winklerの1982年のアルバム『Jazz Life』の紹介です。

Mark Winkler / Jazz Life (1982年) フロント・カヴァー

Mark Winklerは、ハリウッド生まれのシンガー・ソングライター。両親がシンガーという家だったので、自分も当たり前のように音楽の道に進んだ。この『Jazz Life』という素敵なタイトルのアルバムは、Mark Winklerのデビュー作。タイトルが表すように、"ジャズの人生" をテーマにしたコンセプト・アルバムになっている。

"Jazz Life" というタイトル曲は勿論のこと、ほとんどの曲のタイトルに "Minor Key", "Be-Bop", "Hip", "Scat" などのジャズにまつわるワードがある。4曲目のタイトルの "cool cat" はジャズ通とか、熱烈なジャズ・ファンを意味する俗語。7曲目の "strut" は気どって歩くという意味。例えば、ジャズ・ピアニストのSonny Clarkには、『Cool Struttin'』という名作があったりする。

エレガントでクールな「Jazz Life」や「Hip To Your Tricks」、Ben Sidranのように粋に歌う「Be-Bop」、美しいピアノの伴奏でしっとり歌う「Keely」、甘くロマンティックな「In A Minor Key」や「Scattin' In The Moonlight」など、曲の表情は多彩。どの曲もメロディが艶やかで洒落ている。

「In A Minor Key」はMarkのお気に入りのようで、89年の3作目『Hottest Night Of The Year』にも再録された。「Scattin' In The Moonlight」も4作目の『Color Of Love』で再演。「Struttin'」は、Dr. Strutというフュージョン・グループの80年のアルバム『Struttin'』のタイトル曲で、これにMarkが詩をつけたもの。ちなみに、この曲のオリジナルも、すごくいい雰囲気。

Mark Winklerは今も活動中で、最新アルバムは2017年の『Company I Keep』。Markのホーム・ページ もあって、覗いてみると何だかとても "Jazz Life" な雰囲気。充実した活動ぶりが伝わってくる。

●収録曲
  1. Jazz Life
  2. In Minor Key
  3. Be-Bop
  4. Coolcats
  5. Keely
  6. Hip To Your Tricks
  7. Struttin'
  8. Scattin' In The Moonlight
  9. Play To Win

◆プロデュース: Jim Andron(k, b, ds, bv)

◆参加ミュージシャン: Bob Walden(g), Tom Ranier(k, sax), Kevin Bassinson(k), Jeff Steele(b), George Green(ds), Marie Cain/Michael Cruz/Beth Lawrence(bv), etc

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