David Roberts / All Dressed Up (1982年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、David Robertsの1982年のアルバム『All Dressed Up』の紹介です。

David Roberts / All Dressed Up (1982年) フロント・カヴァー

David Robertsはボストン生まれのカナダ人シンガー・ソングライター。このアルバムはDavid Robertsが24歳の年のデビュー・アルバムである。プロデューサーをGreg Mathieson、エグゼクティヴ・プロデューサーをJay Graydonが担当し、David FosterやTOTOのメンバー、Bill Champlin等、豪華なスタジオ・ミュージシャンが参加したAORの人気作だ。

Steve Lukather(g), Mike Porcaro(b), Jeff Porcaro(ds)が全曲で演奏しているので、バック・ミュージシャンは "ほぼTOTO" と言って良い。David Robertsの声は爽やかなハイトーン・ヴォイスで、溌剌とした歌声がとてもフレッシュだ。

全曲がDavid Robertsのオリジナルで、フックの効いた瑞々しいメロディの曲が揃っている。ハードにドライヴするロック・ナンバーからロマンティックなバラード、クールでスタイリッシュな曲まで、曲調も多彩。

このうち、「Anywhere You Run To」はDiana Rossの同年のアルバム『Silk Electric』で、「Too Good To Last」はNielsen/Pearsonの83年のアルバム『Blind Luck』で、「Midnight Rendezvous」はRamsey Lewis & Nancy Wilsonの84年のアルバム『The Two Of Us』でカヴァーされた。

アルバムのハイライトは「Wrong Side Of The Tracks」。微熱を帯びたようなメロディとJeff Porcaroのしなやかなドラムス、Steve Lukatherのエモーショナルなギターが一体となった演奏はセクシーでエレガント。ここから甘美なバラード「Midnight Rendevous」へと続く流れは最高である。

日本でのAOR人気を受けて、26年後の2008年にセカンド・アルバムの『Better Late Than Never』が日本で先行発売された。ファーストの方は、ワーナーの「AOR BEST SELECTION 1300」シリーズから2016年10月に高品質SHM-CDで再発されたが、既に在庫切れかも知れない。

●収録曲
  1. All In The Name Of Love - 3:32
  2. Too Good To Last - 3:49
  3. Someone Like You - 3:37
  4. Boys Of Autumn - 4:12
  5. She's Still Mine (That's My Girl) - 3:32
  6. Wrong Side Of The Tracks - 3:54
  7. Midnight Rendezvous - 3:56
  8. Anywhere You Run To - 3:49
  9. Never Gonna Let You Go - 3:45
  10. Another World - 4:22

◆プロデュース: Greg Mathieson(k)

◆参加ミュージシャン: David Roberts(vo, k), Steve Lukather/Jay Graydon(g), David Foster/Michael Boddicker(sy), Mike Porcaro(b), Jeff Porcaro(ds, per), Paulinho Da Costa(per), Gary Herbig(sax), Bill Champlin/Tom Kelly/Joe Chemay(bv), Jerry Hey/Jeremy Lubbock(strings ar), etc

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