Randy Edelman / Prime Cuts (1974年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Randy Edelmanの1974年のアルバム『Prime Cuts』の紹介です。
Randy Edelmanは80年代から現在に至るまでに数多くの映画音楽を手がけたアメリカの作曲家。『Twins』(88年)、『Ghostbusters II』(89年)、『The Mask』(94年)、『Anaconda』(97年)など、作品の例は枚挙にいとまがない。
70年代にはシンガー・ソングライターとして活動しており、このアルバムは3作目にあたる。
本作のプロデュースを担当したのはMichael Stewart。Billy Joelの『Piano Man』(73年)やKenny Rankinの77年の名作『The Kenny Rankin Album』などを手掛けたプロデューサーだ。また、ストリングス・アレンジをNick DeCaroが担当している。
アルバムの内容は素朴で優しいAOR。
オープニングの「Bluebird」の清々しいこと。穏やかな朝の新鮮な空気のように、無垢で爽やかな曲だ。
収録曲の全てに同じような清らかさがあり、聴き進むほどに心が洗われる気分になる。
全曲がRandy Eledmanの作詞・作曲で、このうち静かなストリングスをバックにピアノの弾き語りで歌う「I Am A Dancer」と「The Woman On Your Arm」はライヴ録音になっている。
他のアーティストにカヴァーされた曲も多い。「You Are The Sunlight - I Am The Moon」はDionne Warwickの2013年の未発表曲集『We Need To Go Back』で、「Isn't It A Shame」はLabelleの76年のアルバム『Chameleon』やShirley Basseyの76年のアルバム『Love, Life & Feelings』で、「Everybody Wants To Call You Sweetheart」はThe Fifth Dimensionの95年のライヴ・アルバム『Fifth Dimension Live』で、各々カヴァーされた。
バック・ミュージシャンも含めて全員が一流であり、素朴ではあるが、プロの仕事によって丁寧に作りこまれた極上の品(Prime Cuts)になっている。
Randy Edelmanの奥様はシンガー・ソングライターのJackie DeShannon。このアルバムの2年後に結婚し、子供も授かり、今も結婚生活を送っている。
- ●収録曲
- Bluebird - 3:42
- Pistol Packin' Melody - 3:03
- I Am A Dancer - 4:24
- Where Did We Go Wrong? - 4:14
- Stan, The Pantsman - 3:48
- You Are The Sunlight - I Am The Moon - 3:05
- The Woman On Your Arm - 3:41
- Isn't It A Shame - 3:27
- Everybody Wants To Call You Sweetheart - 2:48
- June Lullaby - 3:48
◆プロデュース: Michael Stewart(ar, g)
◆参加ミュージシャン: Randy Edelman(vo, k, ar), Michael Omartian(k, ar), Dean Parks/Al Kooper(g), Wilton Felder(b), John Guerin(ds), Tom Scott(sax), Rita Jean Bodine(bv), Nick DeCaro(accordion, string ar), etc
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