Sanford & Townsend / Smoke From A Distant Fire (うつり気な炎) (1976年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Sanford & Townsendの1976年のアルバム『Smoke From A Distant Fire / うつり気な炎』の紹介です。

Sanford & Townsendは、リード・ヴォーカルのJohn TownsendとキーボードのEd Sanfordを中心とする6人組のグループ。二人はソングライター・チームとして活動をスタートしており、Nigel OlssonやLoggins And Messinaが彼らの曲を採り上げたことや、Kenny Logginsと共作した「Oriental Gate」などがアメリカの音楽フェスティバルで注目を集めたことをきっかけに、デビューに至っている。
本作は彼らのデビュー・アルバム。The Sanford-Townsend Bandというグループ名義で発売されたセルフ・タイトルの作品だったが、1曲目の「Smoke From A Distant Fire / うつり気な炎」がBillboard Hot 100チャートの9位に入るヒットを記録すると、名義を "Sanford And Townsend" に、タイトルを「Smoke From A Distant Fire」に変更し、アート・ワークも差し替えて再発売された。
彼らの作る曲はR&Bやソウルの影響を色濃く受けている。それをカラッと乾いた肌触りの骨太なロック・サウンドに仕立てており、ヒットした「うつり気な炎」あたりがまさにそうだが、屈託のない感じが気持ちいい。
Kenny Logginsと共作した「Oriental Gate」も素敵なナンバー。Logginsもヴォーカルで参加しており、メロウで爽やかな曲だが、彼らの男っぽい熱唱を聴くことができる。Kenny Logginsは「Squire James」でも歌声を披露している。
R&Bスタイルの曲では、心地よいグルーヴのある「Does It Have To Be You / あなたでなくては」がなかなかいい。ここでも、Kenny Logginsのバック・ヴォーカルが爽やかだ。ヒットはしなかったが、この曲がアルバムからのファースト・シングルになった。
セカンド・アルバムの『Duo Glide』(77年)では、TOTOのJeff Porcaro(ds)とDavid Hungate(b)が大活躍しており、AOR好きにおすすめ。グループ名義に戻して発売されたサード・アルバム『Nail Me To The Wall』(79年)もある。
Ed Sanfordは、後にMichael McDonaldのソロ・デビュー作『If That's What It Takes / 思慕(ワン・ウェイ・ハート)』(82年)で2曲を共作しており、そのうちの1曲「I Keep Forgettin'」は全米4位となる大ヒットを記録した。ソウルフルでメロウで、とても洗練された名曲。Ed Sanfordの一番の成果だと思う。
- ●収録曲
- Smoke From A Distant Fire / うつり気な炎 - 3:30
- Moolah Moo Mazuma (Sin City Wahh-oo) - 3:57
- Oriental Gate (No Chance Changin' My Mind) - 3:19
- Shake It To The Right - 4:10
- Squire James - 4:39
- Does It Have To Be You / あなたでなくては - 3:12
- Lou - 3:27
- Sunshine In My Heart Again / 我が心のサンシャイン - 2:42
- In For The Night - 3:50
- Rainbows Colored In Blue - 4:52
◆プロデュース: Barry Beckett(k), Jerry Wexler
◆参加ミュージシャン: John Townsend(vo, k), Ed Sanford(k, vo), Roger Johnson/Otis Hale(g), Jerry Rightmer(b), Jim Varley(ds)
with Kenny Loggins(vo), Tom Roady(per), Jon Clarke(woodwind), George Hawkins/Billy Townsend(bv), etc
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