Crackin’ / Makings Of Dream (1977年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Crackin'の1977年のアルバム『Makings Of Dream』の紹介です。
Crackin'は70年代に活動した白人・黒人混成のグループ。メンバーには、後にセッション・シンガーとして活躍するLeslie Smithや、売れっ子プロデューサー・チームとしてRobbie DupreeやSmokie Robinson、The Temptations、Kenny Gらを手がけるRick ChudacoffとPeter Bunettaが在籍した。彼らはサン・フランシスコを拠点に活動し、70年代後半に4枚のアルバムを残している。
本作はCrackin'のセカンド・アルバムで、プロデュースを担当したのはRuss Titelman。ソフトでファンキーな曲が多く、Leslie Smith、Arno Lucas、Lester Abramsの3人のヴォーカリストによるソウルフルな歌声と爽やかなハーモニーを楽しむことができる。リード・ヴォーカルについては、Leslieが3曲(1, 2, 6)、Arnoが1曲(5)、Lesterが1曲(4)を担当し、3人で3曲(3, 7, 9)、ArnoとLesterで1曲(8)を歌っている。
曲作りの中心はLester Abramsで、共作も含めて9曲のうち7曲を担当。残り2曲(2, 6)はRick Chudacoff等が書いている。
Leslie Smithがリード・ヴォーカルとった3曲はどれも爽やか。中でも、その伸びやかな歌声を生かした「Feel Alright」は、本作一押しの爽やかなナンバーだ。メロウでキュートな「Who You Want Me To Be」も、Leslieの甘い歌声にとても合っている。
Lester Abramsが歌うミディアム・スローの「I Want To Sing It To You」もいい。シンプルにアレンジされた落ち着いた曲で、メロディに深い哀愁味がある。この曲ではDavid Sanbornがサックス・ソロを吹いており、とてもクール。
Arnoがリード・ヴォーカルをとった「Well And Good」はファンキーなナンバー。コテコテのファンクではなく、どこか開放的で爽やかなところがCrackin'らしい。この曲のホーン・アレンジは、Lester AbramsとDavid Sanbornが手がけている。
モノクロのジャケットを手がけたのは、カヴァー・ アートの巨匠のNorman Seeff。男7人がくっつき合って、こぼれるような笑顔でポーズをとる。暑苦しくなく、むしろ爽やかだ。
- ●収録曲
- Feel Alright - 3:49
- Take Me To The Bridge - 4:30
- Beautiful Day - 4:38
- I Want To Sing It To You - 4:07
- Well And Good - 3:47
- Who You Want Me To Be - 3:58
- What Goes Around Comes Around - 4:10
- You're Winning - 4:08
- (There's A) Better Way - 4:03
◆プロデュース: Russ Titelman
◆参加ミュージシャン: Leslie Smith(vo), Arno Lucas(vo, per), Lester Abrams(vo, k), G.T. Clinton(k, sy), Rick Chudacoff(b), Peter Bunetta(ds), Bob Bordy(g)
with Milt Holland(ds, per), Victor Feldman(per), David Sanborn(sax), Nick DeCaro(strings ar), etc
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