The Pointer Sisters / Black & White (1981年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、The Pointer Sistersの1981年のアルバム『Black & White』の紹介です。
The Pointer SistersはRuth, Anita, Bonnie, Juneの4姉妹によるR&Bヴォーカル・グループ。1971年にAnita, Bonnie, Juneの3人でデビューし、翌年に長女のRuth Pointerが加わった。その後、77年にBonnieがソロに転向したため、再び3人組になっている。
この『Black & White』は8枚目のスタジオ・アルバム。フロント・カヴァーでは、Anita, Ruth, Juneの3人がダーク・ブラウンの装いでポーズをとるが、バック・カヴァーでは真っ白な衣装で華やかに決めている。Paul McCartneyとStevie Wonderのヒット曲「Ebony and Ivory」(米1位)が翌82年なので、その先がけのようなタイトル。
このアルバムからは、ミディアム・テンポのムーディなソウル・ナンバーの「Slow Hand」がBillboard Hot 100チャートの2位となる大ヒットを記録し、彼女たちの代表曲の一つになっている。また、ポップで軽快な「Should I Do It / 涙のパーティ」も同じチャートの13位をマークした。
「Someday We'll Be Together」はRuss Ballardの作で、シンプルでキャッチ-なサビのメロディがBallardらしい。また、哀愁味のある熟れたメロディが魅力の「Got to Find Love」は、David Lasley等の書いた名曲。Lasleyも同じ年のアルバム『風のファルセット』で、この曲を見事なファルセット・ヴォイスで歌っている。
軽快でダンサブルな「We're Gonna Make It」は、AnitaとJuneがDavid Foster等と共作した曲で、シンセの音使いが80年代風。続く「What A Surprise」は渋いR&Bナンバーで、Anitaのタフなヴォーカルとラップ調のコーラスがクール。この曲は「Slow Hand」に続くシングルになり、R&Bチャートの52位をマークしている。
曲によってリード・ヴォーカルを変えていて、Ruthは1曲(3)、Anitaは3曲(2, 4, 6)、Juneは4曲(1, 7-9)を担当。「We're Gonna Make It」はAnitaとJuneの二人で担当している。Ruthは長女らしい落ち着いた声だが、AnitaとJuneの声はよく似ていて、クレジットを見ないと分からない。
2006年にJuneが他界し、またAnitaもグループを離れたため、現在はRuthと娘のIssa、孫娘のSadako(母親が日本人)の3人でThe Pointer Sistersの活動を続けている。ステージでは長身のRuthがセンターに立ち、娘と孫を左右に従えて、とても貫録がある。
- ●収録曲
- Sweet Lover Man - 4:12
- Someday We'll Be Together / ふたりのめぐり逢い - 4:39
- Take My Heart, Take My Soul - 4:06
- Slow Hand - 3:54
- We're Gonna Make It / 夢のロマンス - 3:56
- What A Surprise - 4:11
- Got To Find Love - 4:04
- Fall In Love Again - 4:30
- Should I Do It / 涙のパーティ - 3:53
◆プロデュース: Richard Perry
◆参加ミュージシャン: Anita Pointer/Ruth Pointer/June Pointer(vo), Paul Jackson/Tim May(g), Mike Porcaro/Nathan Watts(b), Trevor Lawrence(sax), John Barnes/Greg Phillinganes/Danny Faragher/William Smith(k), Ed Walsh/Mike Cotten/James Newton Howard(sy), John Robinson(ds), Paulinho da Costa(per), etc
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