Bill Withers / Menagerie (1977年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Bill Withersの1977年のアルバム『Menagerie』の紹介です。

Bill Withers / Menagerie (1977年) フロント・カヴァー

Bill Withersは70年代のソウル、R&Bシーンで活躍したシンガー・ソングライター。デビュー直後に、「Ain't No Sunshine」(71年, 米3位)、「Lean on Me」(72年, 米1位)、「Use Me」(72年, 米2位)のヒットを飛ばし、「Ain't No Sunshine」ではグラミー賞の「Best Rhythm & Blues Song」も受賞。知的で内省的なシンガー・ソングライターの印象で活動をスタートしている。

その後しばらくヒットから遠ざかるが、80年代に入ると、サックス奏者のGrover Washington, Jr.のヒット曲「Just The Tow Of Us」(米2位)のヴォーカルに抜擢され、グラミー賞の「Best Rhythm & Blues Song」を再び受賞。この時には、大人の色香を漂わせるスタイリッシュなブラック・コンテンポラリー・シンガーになっている。

この『Menagerie』は6枚目のスタジオ・アルバム。Bill Withersが洗練という方向性を打ち出したのは本作あたりからで、心地よいグルーヴのあるエレガントな曲が多く、Billの歌声もスタイリッシュ。動物のキャラクターに囲まれて笑顔を見せるフロント・カヴァーのように、晴れやかな印象のアルバム。"Menagerie" は動物園を意味する。

ポップでチャーミングな「Lovely Day」はチャートの30位をマークし、まずまずの成績を残した。このお洒落な曲は99年頃のGAPのCMにも使われていて、Bill Withersの代表曲の一つになっている。

I Want to Spend the Night」と「Tender Things」は、ゆったりした曲調のリゾート・ミュージック。特に、「Tender Things」では、Ray Parker Jr.の奏でるアコースティック・ギターの音が優しく、Billの歌声にも独特の甘い抑揚があって、子守唄を聴いているみたいに気持ちいい。

ラストの「Let Me Be the One You Need」は濃厚なバラード。Billの歌声は深く熟していて、とてもロマンティック。この曲に漂う妖艶なムードは、85年のアルバム『Watching You Watching Me / 愛の情景』にも共通する。

「Lovely Day」は多くのミュージシャンに歌われた。最近ではJustin Timberlakeもカヴァー。2017年2月に開催されたアカデミー賞授賞式のパフォーマンスにおいて、持ち歌の「Can't Stop the Feeling!」に続けて、この「Lovely Day」を歌っている。

●収録曲
  1. Lovely Day - 4:15
  2. I Want To Spend The Night / 今宵を君と - 3:41
  3. Lovely Night For Dancing - 5:51
  4. Then You Smile At Me - 4:54
  5. She Wants To (Get On Down) - 3:15
  6. It Ain't Because Of Me Baby - 3:31
  7. Tender Things - 5:02
  8. Wintertime - 3:17
  9. Let Me Be The One You Need - 4:44

◆プロデュース: Bill Withers(vo, g, k), Keni Burke(b), Clarence McDonald(k), Clifford Coulter(k, sy)

◆参加ミュージシャン: Dean Grant(k), Ray Parker, Jr.(g), Jerry Knight(b), Ralph MacDonald(per), Alvin Taylor/Russ Kunkel(ds), Mike Jones(sy), Pat Hodges/Denita James/Jessica Smith(bv), etc

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