What If / What If (1987年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、What Ifの1987年のアルバム『What If』の紹介です。
What Ifは、Tommy Funderburk(vo), Bob Wilson(ds), Larry Williams(k, sax)の3人が結成したメロディアス・ハード系のロック・バンド。TommyとBobが3年前に作ったCCMユニットの「The Front」が母体になっており、The Frontは84年に唯一のアルバム『The Front』を残して解散するが、そこに参加していたLarryも含めて再スタートしたのが、このWhat Ifだ。
それぞのメンバーがキャリアのあるベテランなので、80年代に流行したスーパー・グループ的。Tommyはパワフルなハイトーン・ヴォイスを持ち味とするセッション・シンガーで、David FosterとJay GraydonのAORユニット「Airplay」のリード・シンガーとして有名。Bobはハワイのフュージョン・グループであるSeawindのリーダーで、LarryもSeawindのメンバー。Bobがドラムスを、Larryがキーボードを担当していた。
本作はWhat Ifの唯一のアルバム。クールでエモーショナルな楽曲、ハードで厚みのある演奏、パワフルな歌唱のそれぞれにベテランの技と味わいがある。また、打ち込みを使ったサウンドには80年代らしさを感じる。
収録曲は「Perfect World」を除いて彼らのオリジナル。この曲は、後にStyxのメンバーとなるGlen Burtnickのデビュー・アルバム『Talking in Code』(86年)からのカヴァー。メロディの美しいロマンティックなバラードで、Tommy Funderburkの歌唱が素晴らしい。
セッション・ギタリストのMichael Landauが全面的に参加していて、ギタリストのいないグループなのに、ギターの音が割とフィーチャされている。ちなみにグループ結成時には、実力派のMichael Thompsonが正式メンバーだったが、レコーディング直前にグループを離れ、その穴をLandauが埋めている。
AirplayもThe Frontも、このWhat Ifも、アルバムを1枚しか残せていない。セッション・ミュージシャンの集まりがグループとして長く活動できた例は少なく、TOTOぐらいか…。ちなみに、TOTOの結束力が強いのは、ハイスクール時代からの友達どうしだからだ。
- ●収録曲
- What If - 4:48
- If This Is Love - 4:04
- Perfect World - 4:36
- One Look - 3:36
- Ride The Hurricane - 3:49
- She Rocked My World - 4:08
- Love Is A Fire - 5:19
- When Right Is Wrong - 4:12
- Turn And Walk Away - 4:45
◆プロデュース: Mick Guzauski, What If
◆参加ミュージシャン: Tommy Funderburk(vo), Bob Wilson(ds), Larry Williams(k, sax)
with Michael Landau/Dan Huff(g), Larry Klein(b), Casey Young(sy), Paulinho Da Costa(per), Bill Champlin/Bob Carlisle(bv), etc
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません