What If / What If (1987年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、What Ifの1987年のアルバム『What If』の紹介です。

What If / What If (1987年) フロント・カヴァー

What Ifは、Tommy Funderburk(vo), Bob Wilson(ds), Larry Williams(k, sax)の3人が結成したメロディアス・ハード系のロック・バンド。TommyとBobが3年前に作ったCCMユニットの「The Front」が母体になっており、The Frontは84年に唯一のアルバム『The Front』を残して解散するが、そこに参加していたLarryも含めて再スタートしたのが、このWhat Ifだ。

それぞのメンバーがキャリアのあるベテランなので、80年代に流行したスーパー・グループ的。Tommyはパワフルなハイトーン・ヴォイスを持ち味とするセッション・シンガーで、David FosterとJay GraydonのAORユニット「Airplay」のリード・シンガーとして有名。Bobはハワイのフュージョン・グループであるSeawindのリーダーで、LarryもSeawindのメンバー。Bobがドラムスを、Larryがキーボードを担当していた。

本作はWhat Ifの唯一のアルバム。クールでエモーショナルな楽曲、ハードで厚みのある演奏、パワフルな歌唱のそれぞれにベテランの技と味わいがある。また、打ち込みを使ったサウンドには80年代らしさを感じる。

収録曲は「Perfect World」を除いて彼らのオリジナル。この曲は、後にStyxのメンバーとなるGlen Burtnickのデビュー・アルバム『Talking in Code』(86年)からのカヴァー。メロディの美しいロマンティックなバラードで、Tommy Funderburkの歌唱が素晴らしい。

セッション・ギタリストのMichael Landauが全面的に参加していて、ギタリストのいないグループなのに、ギターの音が割とフィーチャされている。ちなみにグループ結成時には、実力派のMichael Thompsonが正式メンバーだったが、レコーディング直前にグループを離れ、その穴をLandauが埋めている。

AirplayもThe Frontも、このWhat Ifも、アルバムを1枚しか残せていない。セッション・ミュージシャンの集まりがグループとして長く活動できた例は少なく、TOTOぐらいか…。ちなみに、TOTOの結束力が強いのは、ハイスクール時代からの友達どうしだからだ。

●収録曲
  1. What If - 4:48
  2. If This Is Love - 4:04
  3. Perfect World - 4:36
  4. One Look - 3:36
  5. Ride The Hurricane - 3:49
  6. She Rocked My World - 4:08
  7. Love Is A Fire - 5:19
  8. When Right Is Wrong - 4:12
  9. Turn And Walk Away - 4:45

◆プロデュース: Mick Guzauski, What If

◆参加ミュージシャン: Tommy Funderburk(vo), Bob Wilson(ds), Larry Williams(k, sax)
with Michael Landau/Dan Huff(g), Larry Klein(b), Casey Young(sy), Paulinho Da Costa(per), Bill Champlin/Bob Carlisle(bv), etc

スポンサーリンク