Sade / Diamond Life (1984年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Sadeの1984年のアルバム『Diamond Life』の紹介です。

Sade / Diamond Life (1984年) フロント・カヴァー

Sade(シャーデー)は、女性シンガーのSade Aduを中心にロンドンで結成された4人組。Sade Aduはナイジェリア生まれで、ナイジェリア人の父とイギリス人の母をもつハーフである。彼らの音楽はソウル、R&B、スムース・ジャズなどの要素を上品にブレンドした独特のポップスで、そのサウンドはエレガントにして知的。Aduの魅惑のアルト・ヴォイスと美しい容姿も話題となり、センセーショナルなデビューを果たした。

『Diamond Life』というゴージャスなタイトルの付いたこのアルバムはSadeのデビュー作。オリジナル8曲(1-8)とカヴァー1曲(9)という構成で、カヴァー曲の「Why Can't We Live Together」は、アメリカのR&Bシンガー、Timmy Thomasの72年のヒット曲(米3位)である。このアルバムからは、「Smooth Operator」(米5位、英19位)、「Your Love Is King」(英6位)がヒットし、アルバムも米5位、英2位をマークした。

「Your Love Is King」の映像は、93年にSan Diegoで行われたライヴだ。私はリアルタイムにSadeのヒット曲を聴いていたし、PVもMTVなどで観ていたが、全てのアルバムを聴き直すほどに好きになったのは、NHKの『黄金の洋楽ライヴ』でSan Diegoのライヴ映像を観てから。成熟したステージ・パフォーマンスに感動し、Aduの歌の力とその神々しい美しさに見入ってしまった。

San Diegoのライヴ映像には、このアルバムから「Your Love Is King」「Smooth Operator」「Cherry Pie」が収録されている。「Your Love Is King」は、タイトルも詞も素敵。"crown" や "ring" というキラキラしたフレーズを散りばめながら、かなり情熱的な歌詞をクールに上品に歌う。ライヴでは女性からの歓声が多い。

ダイヤモンドのような気品と輝きのある女性ならば、ダイヤは必要ない。Diamond Lifeというタイトルには、そんなニュアンスの自信も感じられる。

●収録曲
  1. Smooth Operator - 4:58
  2. Your Love Is King - 3:40
  3. Hang On To Your Love - 5:54
  4. Frankie's First Affair - 4:38
  5. When Am I Going To Make A Living - 3:25
  6. Cherry Pie - 6:20
  7. Sally - 5:20
  8. I Will Be Your Friend - 4:43
  9. Why Can't We Live Together - 5:27

◆プロデュース: Robin Millar

◆参加ミュージシャン: Sade Adu(vo), Andrew Hale(k), Stuart Matthewman(g, sax), Paul Denman(b)
with Paul Anthony Cook(ds), Martin Ditcham(per), Dave Early(ds, per), Terry Bailey/Gordon Matthewman(tp)

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