Ray Parker Jr. / The Other Woman (1982年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Ray Parker Jr.の1982年のアルバム『The Other Woman』の紹介です。
Ray Parker Jr.はギタリストやシンガー・ソングライターのほか、俳優としても活躍するアメリカのミュージシャン。70年代の前半にセッション・ギタリストとしてStevie Wonderなどのアルバムでギターを弾くようになり、1977年にはR&BグループのRaydioを結成して、81年の解散までグループを牽引した。
Raydioは4枚のアルバムを出しているが、Ray Parker Jr.はその全てをプロデュースしている。また全曲を書いており、2作目からはヴォーカル、ギターのほかにベースとキーボードも担当。81年にリリースされた4作目『A Woman Needs Love』では、ついに名義がRay Parker Jr. And Raydioになり、メロウで爽やかなタイトル曲の大ヒット(Billboard Hot 100チャートの4位、R&Bチャートの1位)も生まれた。
本作『The Other Woman』は、Raydioを解散してソロ活動をスタートしたRay Parker Jr.の最初のソロ・アルバム。『A Woman Needs Love』と同じく、プロデュースのほかに複数の楽器(ギターはもちろん、ドラムス、ベース、キーボード、シンセも)を担当している。
アルバムからの最初のシングルはファンキーな「The Other Woman」。メロディがキャッチーで、ロック調のイントロもかっこよく、Billboard Hot 100チャートでは4位、R&Bチャートでは2位を記録した。続く「Streetlove」も、ビートやメロディがよく似ており、「The Other Woman」のリピートのように聴こえる。ちなみに、「The Other Woman」のPVはMichael Jacksonの「Thriller」(82年)と似ているが、撮影されたのは、この曲のほうが(たぶん)早い。
2枚目のシングルは甘いバラードの「Let Me Go」で、イントロではムード満点の甘い囁きが40秒ほど続く。この曲は、Billboard Hot 100チャートの38位、R&Bチャートの3位を記録した(PVでは、イントロは残念ながらカット)。「Stay The Night」もスローなバラードで、甘い囁きこそないが、「Let Me Go」と同じくらいロマンティック。
「It's Our Own Affair / 二人のラヴ・アフェア」と「Stop, Look Before You Love」は、「A Woman Needs Love」路線のメロウで爽やかなナンバー。「二人のラヴ・アフェア」は3枚目のシングルとなって、R&Bチャートでは44位まで到達した。
Ray Parker Jr.というと、84年の映画『ゴースト・バスターズ』の主題歌「Ghostbusters」があまりにもヒットしたので、それを歌うコミカルなおじさんの印象があるが、ロマンティックなバラードや甘い囁きも様になる、マルチ・タレントなミュージシャンなのである。
- ●収録曲
- The Other Woman - 4:06
- Streetlove - 5:30
- Stay The Night - 4:00
- It's Our Own Affair / 二人のラヴ・アフェア - 3:50
- Let Me Go - 5:03
- Let's Get Off - 4:50
- Stop, Look Before You Love - 3:58
- Just Havin' Fun - 3:20
◆プロデュース: Ray Parker Jr. (vo, ds, b, k, g, sy)
◆参加ミュージシャン: Charles Green(sax), Ollie E. Brown(per), Michael Boddicker(vocoder), Larry Tolbert(ds), Anita Sherman/Arnell Carmichael/J.D. Nicholas/Jerry Knight/Lynn Smith(bv)
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