Kenny Rankin / The Kenny Rankin Album (1977年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Kenny Rankinの1977年のアルバム『The Kenny Rankin Album』の紹介です。

Kenny Rankin / The Kenny Rankin Album (1977年) フロント・カヴァー

Kenny Rankinはロサンゼルス生まれ、ニューヨーク育ちのシンガー・ソングライター。60年代の終わりからアルバムを制作しており、2009年に他界するまでに15作ほどを残している。このアルバムは6作目にあたる。

本作のプロデュースを担当したのはMichael Stewart。Billy Joelの73年のアルバム『Piano Man』などを手がけたプロデューサーだ。また、アレンジを担当したのはDon Costa。Paul Ankaを見出し、Frank Sinatraのヒット・アルバムを手がけた大御所である。

収録された10曲のうちオリジナルは3曲(3, 9, 10)で、残り7曲は見事な選曲によるカヴァー曲集になっている。カバー曲の作者とリリース年は次のとおり。


  • 「A House Of Gold」(Hank Williams, 1954)
  • 「Here's That Rainy Day」(James Van Heusen/Johnny Burke, 1953)
  • 「On and On」(Stephen Bishop, 1976)
  • 「You Are So Beautiful」(Billy Preston/Bruce Fisher, 1974)
  • 「Groovin'」(The Rascals, 1967)
  • 「While My Guitar Gently Weeps」(The Beatles, 1968)
  • 「When Sunny Gets Blue」(Marvin Fisher/Jack Segal, 1956)

柔らかいストリングスとボサノバ感覚のジャジーなアレンジによって、どの曲も清楚でエレガントに生まれ変わっており、Kenny Rankinのオリジナルのように聴こえる。「You Are So Beautiful」や「I Love You」の穏やかな歌声を聴くと、幸せな気持ちで満たされる。

まっすぐに見つめる、ジャケットの落ち着いた眼差し。"The Kenny Rankin Album" という自信に満ちたタイトル。ジャケットの裏には "This album is dedicated to my mother Elizabeth" という心憎いメッセージ。静かで温かく、存在感のある歌声。

疲れを癒して心を整える、最高のヒーリング・ミュージックだ。

●収録曲
  1. House of Gold - 3:02
  2. Here's That Rainy Day - 2:35
  3. Make Believe - 2:58
  4. On And On - 3:26
  5. You Are So Beautiful - 3:42
  6. Groovin' - 4:10
  7. While My Guitar Gently Weeps - 4:42
  8. When Sunny Gets Blue - 2:58
  9. I Love You - 4:25
  10. Through The Eye Of The Eagle - 2:40

◆プロデュース: Michael Stewart

◆参加ミュージシャン: Kenny Rankin(vo, ag, p), Don Costa(ar), Wendy Haas(k, bv), Roy McCurdy(ds), Peter Marshall(b), Nino Tempo(sax), Julia Waters/Maxine Waters(bv)

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