Dan Hill / Longer Fuse (ふれあい) (1977年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Dan Hillの1977年のアルバム『Longer Fuse / ふれあい』の紹介です。

Dan Hill / Longer Fuse (ふれあい) (1977年) フロント・カヴァー

Dan Hillはカナダ生まれのシンガー・ソングライター。叙情的なバラードを作ることで定評があり、カナダの吟遊詩人と呼ばれることがある。

1975年のデビューから地道にアルバム制作を続け、オリジナル・アルバムはこれまでに12枚をリリース。本作はサード・アルバムにあたる。夜の街明かりに浮かぶフロント・カヴァーの姿には、確かに吟遊詩人のような佇まいがある。

本作の収録曲は全てDan Hillの自作。このうち、「Sometimes When We Touch / ふれあい」はBarry Mannと、「Crazy」はDon Potterとの共作だ。素朴で飾らない感じの曲が多いが、メロディはとても饒舌。気持ちを込めて熱く歌うところが好感を持てる。

「ふれあい」は、Dan Hillが詞を、Barry Mannが曲を担当したバラードの名品。Billboard Hot 100チャートの3位となる大ヒットを記録し、Dan Hill最大のヒット曲となった。

他のアーティストによるカヴァーも多く、Tina TurnerやBonnie Tyler、Barry Manilow、Rod Stewart等がこの曲を歌っている。

「You Are All I See」のメロディの切なさや、アコースティックな「Still Not Used To」の美しさも格別。素材(=曲)の良さをじっくり聴かせるアルバムだ。

「ふれあい」に続くDan Hillのヒットは、10年後のアルバム『Dan Hill』から生まれた「Can't We Try / とまどい」。切なすぎるメロディを持つ情熱的なバラードで、Vonda Shepardとのロマンティックなデュエットも当たり、チャートの6位をマークした。

この曲は、奥様のBeverly Chapin-Hillとの共作。88年のアルバム『Real Love』でもタイトル曲を共作している。どちらも素晴らしいバラードなので奥様もミュージシャンかと思いきや、本業は弁護士であった。

●収録曲
  1. Sometimes When We Touch / ふれあい - 4:05
  2. 14 Today - 4:29
  3. In The Name Of Love - 2:33
  4. Crazy - 4:05
  5. McCarthy's Day - 3:53
  6. Jean - 4:28
  7. You Are All I See - 2:20
  8. Southern California - 4:10
  9. Longer Fuse - 4:20
  10. Still Not Used To - 4:25

◆プロデュース: Matthew McCauley(k, bv, strings ar), Fred Mollin(per, bv)

◆参加ミュージシャン: Dan Hill(vo, g), Bob Mann(g), Don Potter(ag, bv), John Capek/Bobby Ogdin(k), Tom Szczesniak/Bob Boucher(b), Larrie Londin(ds), etc

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