Dan Hill / Longer Fuse (ふれあい) (1977年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Dan Hillの1977年のアルバム『Longer Fuse / ふれあい』の紹介です。

Dan Hillはカナダ生まれのシンガー・ソングライター。叙情的なバラードを作ることで定評があり、カナダの吟遊詩人と呼ばれることがある。
1975年のデビューから地道にアルバム制作を続け、オリジナル・アルバムはこれまでに12枚をリリース。本作はサード・アルバムにあたる。夜の街明かりに浮かぶフロント・カヴァーの姿には、確かに吟遊詩人のような佇まいがある。
本作の収録曲は全てDan Hillの自作。このうち、「Sometimes When We Touch / ふれあい」はBarry Mannと、「Crazy」はDon Potterとの共作だ。素朴で飾らない感じの曲が多いが、メロディはとても饒舌。気持ちを込めて熱く歌うところが好感を持てる。
「ふれあい」は、Dan Hillが詞を、Barry Mannが曲を担当したバラードの名品。Billboard Hot 100チャートの3位となる大ヒットを記録し、Dan Hill最大のヒット曲となった。
他のアーティストによるカヴァーも多く、Tina TurnerやBonnie Tyler、Barry Manilow、Rod Stewart等がこの曲を歌っている。
「You Are All I See」のメロディの切なさや、アコースティックな「Still Not Used To」の美しさも格別。素材(=曲)の良さをじっくり聴かせるアルバムだ。
「ふれあい」に続くDan Hillのヒットは、10年後のアルバム『Dan Hill』から生まれた「Can't We Try / とまどい」。切なすぎるメロディを持つ情熱的なバラードで、Vonda Shepardとのロマンティックなデュエットも当たり、チャートの6位をマークした。
この曲は、奥様のBeverly Chapin-Hillとの共作。88年のアルバム『Real Love』でもタイトル曲を共作している。どちらも素晴らしいバラードなので奥様もミュージシャンかと思いきや、本業は弁護士であった。
- ●収録曲
- Sometimes When We Touch / ふれあい - 4:05
- 14 Today - 4:29
- In The Name Of Love - 2:33
- Crazy - 4:05
- McCarthy's Day - 3:53
- Jean - 4:28
- You Are All I See - 2:20
- Southern California - 4:10
- Longer Fuse - 4:20
- Still Not Used To - 4:25
◆プロデュース: Matthew McCauley(k, bv, strings ar), Fred Mollin(per, bv)
◆参加ミュージシャン: Dan Hill(vo, g), Bob Mann(g), Don Potter(ag, bv), John Capek/Bobby Ogdin(k), Tom Szczesniak/Bob Boucher(b), Larrie Londin(ds), etc
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