Erik Tagg / Rendez-Vous (1977年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Erik Taggの1977年のアルバム『Rendez-Vous』の紹介です。
Erik Taggは、AORやフリー・ソウルにおいて高い人気を集めるミュージシャン。アメリカ生まれだが、20歳の時にオランダに渡って音楽のキャリアをスタートした。ソロ・アルバムは4枚あり、最初の2枚は欧州リリース。本作は、その欧州リリースのセカンド・アルバムである。
Erik Taggが広く知られるようになったのは、ジャズ/フュージョン・ギタリストのLee Litenourが81年のヒット作『RIT』においてErik Taggをリード・シンガー兼ソングライターとして起用してからだ。独特の湿度と温もりのある爽やかな声と、ソウル・フィーリングのある歌唱が注目され、ヒット曲「Is It You?」(全米15位)などのソングライティングのセンスが評価された。
Lee Litenourは、翌82年のアルバム『RIT/2』においてもErik Taggをフィーチャ。Erik Taggの同じ年のサード・アルバム『Dreamwalkin'』ではプロデューサーを担当している。
どうだろう、この爽やかなグリーンのジャケットは。ミントの香りが漂ってくるようだ。そして、横顔の穏やかな佇まい。端正で清潔なサウンドを期待させる。
内容は期待を裏切らない。ソウルフルでグルーヴィなサウンドは、空に舞い上がるように爽やかでメロウ。少し鼻にかかった感じの歌声もスウィートで、万人が聴いて、万人が気持ちよいと感じる音楽だと思う。
75年のファースト・アルバム『Smilin' Memories』には、Jeff Porcaro(ds), Mike Porcaro(b), Lee Ritenour(g), David Foster(k)などの馴染みのプレイヤーが参加しているが、本作のバック・ミュージシャンはErik Taggの地元ダラスの昔からの知り合いとのこと。ベースのLarry Taggは1歳年上の兄で、本作が初レコーディング。Larryは後にロック・バンドのBourgeois Tagg(ブルジョア・タッグ)を結成して活躍した。
本作が98年に日本で世界初CD化された際には未発表の4曲がボーナス・トラックとして収録されている。その4曲も本編と遜色ない出来で素晴らしい。
- ●収録曲
- Got To Be Lovin' You
- Rendez-Vous
- Lover With Stature
- Fancy Meeting You
- Marja's Tune
- Babies
- Mutual Feeling
- Soul Touch
- Life Goes On
- Living Off The Love (bonus track)
- The Love I Gave (bonus track)
- Who Are You? (bonus track)
- Will They Be Listening? (bonus track)
◆プロデュース: Hans Vermeulen(g, string ar)
◆参加ミュージシャン: Erik Tagg(vo, k, flute), Adam Palma Jr.(g), Bert Liggon(k, per), Larry Tagg(b), George Lawrence III(ds), Ron Snyder(per), etc
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