Air Supply / The One That You Love (シーサイド・ラヴ) (1981年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Air Supplyの1981年のアルバム『The One That You Love / シーサイド・ラヴ』の紹介です。

Air Supplyはオーストラリア出身のソフト・ロック・デュオ。シンガー・ソングライターでありギタリストのGraham Russellとリード・ヴォーカリストのRussell Hitchcockによって1975年に結成された。
彼らを一躍有名にしたのは1981年にリリースされた5作目の『Lost In Love』。Billboard Hot 100チャートの3位を記録したタイトル曲を始め、3曲が全米チャートのTop 5に入るヒットを記録し、優美なメロディと爽やかなヴォーカル&ハーモニーを特徴とする彼らの音楽は「ペパーミント・サウンド」と呼ばれた。
本作『The One That You Love / シーサイド・ラヴ』はそれに続く6作目。前作の路線を踏襲し、ヒット・チャートでは前作以上の好成績を残している。
ファースト・シングルの「The One That You Love」はBillboard Hot 100チャートにおいて初の(かつ唯一の)1位を獲得。続く「Here I Am」と「Sweet Dreams」も5位を記録し、前作に続いて3曲が全米チャートのTop 5入り。アルバムはBillboard 200チャートの10位となり、彼らのアルバムの中で最高位をマークした。
アルバムに収録された10曲のうち7曲(1, 4, 5, 6, 7, 9, 10)はGraham Russellの作/共作。残りの3曲のうち「Here I Am」はNorman Saleetの作。本作の中で最も清涼感のある "ペパーミントな" 曲だ。同じ年のArt Garfunkelのアルバム『Scissors Cut』に収録された「北風のラスト・レター」もSaleetの作である。
また、「Keeping The Love Alive」はRichard Supa、「I'll Never Get Enough Of You」はGary Portnoy等の作。爽やかな「I'll Never Get Enough Of You」は、Samantha Sangの79年のアルバム『From Dance To Love』の収録曲のカヴァーで、日本では沢田研二と多岐川裕美が主演した81年のTVドラマ『いつか黄昏の街で』で使われ、シングル・カットもされた。
なお、本作の日本盤のフロント・カヴァーは微妙に差し替えられている。オリジナルのデザインはこちら。

構図は同じで、海と大地の違い、気球のデザインの違いしかない。逆にこれしか違わないならば、オリジナルのままで良いではないかと思うが、どうしても『シーサイド・ラヴ』というタイトルに合わせたかったのだろう。
- ●収録曲
- Don't Turn Me Away - 3:39
- Here I Am (Just When I Thought I Was Over You) - 3:46
- Keeping The Love Alive / 愛をうたにのせて - 3:32
- The One That You Love / シーサイド・ラヴ - 4:17
- This Heart Belongs To Me / マイ・ラヴ - 4:11
- Sweet Dreams - 5:19
- I Want To Give It All / ギヴ・イット・オール - 3:37
- I'll Never Get Enough Of You / あなたのいない朝 - 3:42
- Tonite / 僕のメモリアル・ソング - 3:47
- I've Got Your Love - 3:39
◆プロデュース: Harry Maslin, Clive Davis
◆参加ミュージシャン: Graham Russell(ag, vo), Russell Hitchcock(vo), David Moyse/Rex Goh(g), Frank Esler-Smith(k), Dave Green(b), Ralph Cooper(ds)
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