Rupert Holmes / Pursuit Of Happiness (浪漫) (1978年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Rupert Holmesの1978年のアルバム『Pursuit Of Happiness / 浪漫』の紹介です。

Rupert Holmes / Pursuit Of Happiness (浪漫) (1978年) フロント・カヴァー

Rupert Holmesはイギリス生まれ、ニューヨーク育ちのシンガー・ソングライター。ストーリー仕立てのドラマティックな作詞に定評があり、Barbra Streisandからその才能を乞われて、Barbraの75年のアルバム『まどろみの昼下がり』のプロデュース、アレンジ、曲作りを任されたことで知られるようになった。

この『Pursuit Of Happiness』は4作目。Rupert Holmesの代表作といえば、全米1位のヒット曲「Escape (The Piña Colada Song)」を収めた79年のアルバム『Partners In Crime』になるだろうが、この『Pursuit Of Happiness』はその布石となる名作。

1曲目の「Less Is More」は、アルバム邦題の『浪漫』にふさわしい色合いの濃厚なバラード。メロディにはしっとりとした憂いがあり、曲全体がロマンティックなムードに包まれている。言葉にできない秘めた想いを静かに歌った3曲目の「Speechless」も、メロディがうっとりするように美しくてロマンティック。

5曲目の「So Beautiful It Hurts」は、メロウなグルーヴ感のある気持ちのいいナンバー。曲の中盤からエンディングにかけてのソロ・パートでは、Michael Breckerのテナー・サックスとRandy Breckerのフリューゲルホルンが交互に流れ、とても贅沢な聴き心地。

ポップでキャッチーなメロディの「Let's Get Crazy Tonight」はシングル・カットされ、Billboard Hot 100チャートの72位をマーク。ソロのキャリアにおいて初のチャート・インを果たしている。

最後は再びしっとりしたメロディの「The Old School」で締めくくり。取り壊されることになった母校への想いをセンチメンタルに歌っており、甘酸っぱくて爽やかな余韻を残す。

アルバム・カヴァーは暖炉の火を映したように温かい色合い。このアルバムの生楽器の音も温かい。外が冷え込む日におすすめの、ロマンティックなアルバム。

●収録曲
  1. Less Is More - 4:22
  2. Show Me Where It Says / 愛はどこに - 2:58
  3. Speechless - 4:39
  4. Cradle Me - 3:16
  5. So Beautiful It Hurts - 5:20
  6. Let's Get Crazy Tonight / 今夜はメロウに - 3:26
  7. Bedside Companions - 3:22
  8. Guitars / ギターに限りない愛を - 4:50
  9. The Long Way Home - 2:54
  10. Town Square - 3:40
  11. The Old School - 3:50

◆プロデュース: Rupert Holmes(vo, k, ar)

◆参加ミュージシャン: Steve Khan/Elliott Randall(g), Will Lee(b), Alan Schwarlzberg(ds), Jimmy Maelen(per), Michael Brecker(sax), Randy Brecker(flugelhorn), etc

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