Rick Bowles / Free For The Evening (1982年) – アルバム・レビュー

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Rick Bowlesの1982年のアルバム『Free For The Evening』の紹介です。

Rick Bowles / Free For The Evening (1982年) フロント・カヴァー

Rick Bowlesはアメリカのシンガー・ソングライター。ここで紹介する『Free For The Evening』でアーティスト・デビューし、84年にセカンド・アルバムの『No Man's Land』をリリース。その後は、ソングライターとして、AlabamaやKenny Rogers、LeAnn Rimesなどに曲を提供している。

この『Free For The Evening』は、『Blame It On The Night』と『An Eye for an Eye』というAORの人気作に関わった二人、Robert ByrneとBrandon Barnesがサポート・ミュージシャンとして参加したアルバム。

特にRobert Byrneに関しては、Special Thanksに一人だけ名前が挙がるほど、演奏面以外でも大きく貢献したようだ。そのせいか、本作のメロディやサウンドには、Robert Byrneのアルバムと共通するマイルドな感覚がある。「Fool Again」や「So Far So Good」、「Mr. Right」あたりのメロウネスは、Byrne & Barnesのアルバムと同じだし、Rick Bowlesの歌声もどこか、Robert Byrneに似ているように思う。

その「So Far So Good」では、Rick, Robert, Brandonの3人による美しいバック・ヴォーカルを "The Velvetones" とクレジットしており、仲の良さがうかがえる。

ラストの「Dragon Suite」は9分を超える大作。Prelude/Part I/Part II/Repriseという4部構成の組曲になっており、哀愁味のあるメロディを丁寧につないで、最後まですっきりと聴かせる。Steely Danなどのエンジニアとして知られるElliot Scheinerが本作のミキシングを担当し、この曲も含めて、アルバム全体を輪郭の明瞭なサウンドに仕上げている。

Rick Bowlesの2作目『No Man's Land』(84年)では、Robert Byrneがプロデュースを担当し、曲作りにも大きく関わった。84年ということもあって、80's ど真ん中の洋楽の魅力溢れる作品になっており、お薦め。

●収録曲
  1. Too Good To Turn Back Now - 4:02
  2. (Tonight I'll Be Your) Fool Again - 3:52
  3. Your Loss - 4:34
  4. Eagle And The North Wind - 3:58
  5. So Far So Good - 4:25
  6. Listen To Last - 4:25
  7. Mr. Right - 4:03
  8. Dragon Suite - 9:11

◆プロデュース: Ted Daryll(k, per)

◆参加ミュージシャン: Rick Bowles(vo, ag), Robert Byrne(g, bv), Nick Moroch(g), Tom Wolk(g, b), Richard Putnam(k, per), Andy Newmark/Bob Riley(ds), Brandon Barnes(ds, per, bv), etc

スポンサーリンク