Niteflyte / Niteflyte II (1981年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Niteflyteの1981年のアルバム『Niteflyte II』の紹介です。
Niteflyteは、Sandy Torano(g)とHoward Johnson(vo)の二人が結成したマイアミのソウル・ユニット。彼らは2枚のアルバムを残しており、どちらもフリー・ソウルやAORの人気盤になっている。この『Niteflyte II』は彼らのセカンド・アルバム。
収録曲は1曲目の「You Are」を除いて彼らのオリジナルで、Howard Johnsonが1曲(6)、Sandy Toranoが残り全てを書いている(「Anyway You Want」はFrank Corneliusとの共作)。また、Sandy Toranoはファースト・アルバムの『Niteflyte I』に続いて、アルバムのプロデュースを担当した。
「You Are」はMark CraneyとBrad Coleの共作。Mark Craneyは、Gino Vannelliの78年の名作『Brother To Brother』で見事な腕前を披露したドラマーと同じ名前だが、同一人物かどうかは分からない。
この「You Are」は、キャッチーなメロディ、躍動感溢れる演奏、都会的な華やかさの三拍子を揃えた、惚れ惚れするようなナンバー。サビの "Hey Hey Hey You" は、SMAPの94年のヒット曲「がんばりましょう」の元ネタとしても知られている。
続く「You're Breaking My Heart」は美しすぎるバラード。イントロのきらきらした鍵盤の音に続いて流れ出すメロディの、なんと切なく爽やかで、ロマンティックなことか…。
軽やかなレゲエの「Shoot From The Hip」をはさんで、「Anyway You Want」と「Sexy Dancer」ではふたたび切れ味抜群のグルーヴで攻める。シャープなナンバーとうっとりするように美しいバラードがあり、どちらも爽やかに洗練しているところがNiteflyteの魅力。
Sandy Toranoのギターの腕もかなりのもの。「You Are」では情熱的なソロを弾き、「Anyway You Want」のイントロではシャープなカッティングを披露し、インスト曲の「Alicia's Song」ではフュージョン・タッチの哀愁味のあるギターで魅せる。
ラストの甘美なバラード「I Knew It Couldn't Happen」のエンディングでは、ベース、サックス、ヴォーカル・ハーモニーが一体となって、さながら10ccの「I'm Not In Love」のような幻想的で美しい音を奏でており、とても豊かな聴き心地。
アルバムのバック・カヴァーに記されたSandy Toranoのメッセージが泣かせる。
This album is dedicated to the memory of my grandmother, Bonita Lopez
Nov. 4, 1904-Nov. 18, 1980
- ●収録曲
- You Are - 3:49
- You're Breaking My Heart - 4:12
- Shoot From The Hip - 4:19
- Anyway You Want - 4:07
- Sexy Dancer - 4:11
- On Your Own - 3:54
- Alicia's Song - 4:18
- I Knew It Couldn't Happen - 3:51
◆プロデュース: Sandy Torano, Barry Mraz
◆参加ミュージシャン: Sandy Torano(vo, g, ar), Howard Johnson(vo)
with George Bitzer(k), Chocolate Perry/Frank Cornelius(b), Steve Ferrante/Joe Galdo(ds), Joe Lala(per), Jeff Kirk(sax), etc
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