Niteflyte / Niteflyte I (1979年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Niteflyteの1979年のアルバム『Niteflyte I』の紹介です。
Niteflyteは、Sandy Torano(g)とHoward Johnson(vo)の二人が結成したマイアミのソウル・ユニット。彼らは2枚のアルバムを残しており、この『Niteflyte I』はデビュー作。セカンド・アルバムは81年の『Niteflyte II』で、どちらもフリー・ソウルやAORの人気盤になっている。
9曲の収録曲のうち、二人のオリジナルは5曲(1, 2, 5, 7, 9)で、残り4曲(3, 4, 6, 8)は、Sandy Toranoの古くからの音楽パートナーであるLarry Alexanderの作。ダンス、ファンク、メロウ、レゲエと、多彩な表情のナンバーがバランス良く収録されている。
ミディアム・スローの3曲(2, 4, 8)では、Howard Johnsonのソウルフルなヴォーカルをフィーチャ。特に、爽やかな風が吹くような「If You Want It」の心地よさは格別で、このアルバム一押しの曲。この曲はシングル・カットされ、Billboard Hot 100チャートの37位をマークし、Niteflyte唯一のTop 40ヒットになっている。
「All About Love」や「I Wonder」はNiteflyteらしい素敵なダンス・チューン。熱気がむんむん伝わるようなダンス・ナンバーではなく、メロディや演奏が垢抜けていて上品。爽やかで涼やかな風が吹く感じが、とてもNiteflyteらしい。演奏面の洗練は、David SanbornやMichael Brecker(sax)、Average White BandのHamish Stuart(g)やSteve Ferrone(ds)など、腕達者なプレイヤーの参加によるところも大きそうだ。
他には、ファンキーな「Sunshine」や「Get On The Fun」、レゲエ調の「No Two Alike」、Sandy Toranoが激しくギターを弾く「Tryin' To Find」など多彩。ちなみに、Sandy ToranoはNiteflyte結成前はセッション・ギタリストとしてスタジオ・ワークを数多くこなしており、ギターの腕前は相当なものがある。
81年のセカンド・アルバム『Niteflyte II』は、本作をより一層洗練させたアルバム。SMAPのヒット曲「がんばりましょう」(94年)の元ネタとなった名曲「You Are」が収録されている。
- ●収録曲
- All About Love - 4:43
- If You Want It - 4:31
- Sunshine - 5:55
- Make It Right - 5:17
- Get On The Fun - 4:24
- Tryin' To Find - 5:22
- I Wonder - 3:23
- Easy Come - 6:10
- No Two Alike - 4:11
◆プロデュース: Sandy Torano, Barry Mraz
◆参加ミュージシャン: Sandy Torano(vo, g, ar), Howard Johnson(vo)
with Hamish Stuart(g, bv), Jack Waldman(k), Lamont Johnson(b), Steve Ferrone/Joe Galdo(ds), David Sanborn/Michael Brecker(sax), Phylis Hyman(bv), etc
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