Mac McAnally / Nothin’ But The Truth (1983年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Mac McAnallyの1983年のアルバム『Nothin' But The Truth / ミニマム・ラヴ』の紹介です。

Mac McAnally / Nothin' But The Truth (1983年) フロント・カヴァー

Mac McAnallyは、アラバマ州出身のシンガー・ソングライター。同州のマッスルショールズで音楽活動をスタートし、最初の4枚のアルバムをマッスルショールズのWishboneスタジオでレコーディングしている。この『Nothin' But The Truth / ミニマム・ラヴ』は4作目。

プロデュースを担当したのは、それまでの作品と同じくTerry WoodfordとClayton Ivey。サウンドにはたくましさと大らかさがあり、流行りを意識したモダンな味付けもされていて、聴きやすい。

参加ミュージシャンには、Robert ByrneとBrandon Barnesの名前も。この二人もマッスルショールズを拠点に活動しており、Robert Byrneの79年のアルバム『ワン・ナイト・ロマンス』や、Byrne & Barnes名義の81年のアルバム『スウィート・リヴェンジ』は、AOR好きの間で人気を集めている。

Mac McAnallyの歌声はRobert Byrneと似ているが、静かなアコースティックなナンバーではJames Taylorのようでもある。曲は全てオリジナルで、メロディの熟した渋い曲が多い。アルバムの邦題になった「Minimum Love」は、Billboard Hot 100チャートの41位、Adult Contemporaryチャートの7位を記録した。

ラストの「Dark Ages」は磨かれた秀逸なナンバー。穏やかなメロディはとても繊細で、ジャジーな演奏も洗練されている。暗い雲の下で無邪気に遊ぶ子供を描いたジャケットみたいに、少し影のあるメロディが印象的。

Mac McAnallyはカントリー・ミュージック界で今も活動しており、最新アルバムは2015年の『AKA Nobody』。2007年には、ナッシュヴィルのソングライターの殿堂 "Nashville Songwriters Hall of Fame" に迎えられている。

●収録曲
  1. How Cool - 3:42
  2. Middle Man - 3:43
  3. On The Line - 4:03
  4. Minimum Love - 3:14
  5. Lookin' For The Good Life - 3:44
  6. Like Your Mother - 3:31
  7. The City - 3:17
  8. Nothin' But The Truth - 3:44
  9. Other People Say - 3:19
  10. Dark Ages - 4:11

◆プロデュース: Terry Woodford(bv), Clayton Ivey(k)

◆参加ミュージシャン: Mac McAnally(vo, g, k, ar), Duncan Cameron/Hugh McCracken/Kenny Mims(g), Steve Nathan/Brandon Barnes(sy), David Hungate/David Hood(b), James Stroud/Roger Hawkins(ds), Randall Bramlett(sax), Robert Byrne/Lenny LeBlanc(bv), etc

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