Barbra Streisand / Guilty (1980年) – アルバム・レビュー

2023年5月5日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Barbra Streisandの1980年のアルバム『Guilty』の紹介です。

Barbra Streisand / Guilty (1980年) フロント・カヴァー

Barbra Streisandはニューヨーク生まれの歌手であり女優。女優としては、初演となる1968年の『Funny Girl』でアカデミー主演女優賞を受賞したのを皮切りに、73年の『The Way We Were / 追憶』、76年の『A Star Is Born / スター誕生』(アカデミー歌曲賞を受賞)など、これまでに20本ほどに出演している。歌手としてのキャリアはそれより古く、63年のファースト・アルバム『The Barbra Streisand Album』から現在に至るまで、スタジオ・アルバムだけで30作以上を制作している。

本作は、Barbra StreisandがBee GeesのBarry Gibbと共演したアルバム。
フロント・カヴァーで彼女を抱きしめるイケメンがBarry Gibbだ。Barry Gilbbは本作のプロデュースを担当したほか、共作も含めて全ての曲作りを手掛けた。またシンガーとしても、「Guilty」「What Kind of Fool / 別離(わかれ)」の2曲を彼女とデュエットし、つややかな歌声を披露している。

フロント・カヴァーの二人の雰囲気そのままの甘くロマンティックなアルバムで、その点はCarole Bayer Sagerの翌年の名作『Sometimes Late At Night / 真夜中にくちづけ』と双璧をなす。コーヒーに角砂糖を2つ入れて飲むような甘さがあるが、後味は心地よい。それだけ曲が優れており、サウンドに品がある。

軽やかなグルーヴの「Guilty」、憂いのあるメロディが素晴らしい「Woman in Love」「Run Wild」、ディスコ調の「Promises / 恋のプロミス」、しっとりしたバラードの「The Love Inside」「別離(わかれ)」など、とにかく曲が良い。

Barry Gibbが一人で書いた曲は「The Love Inside」のみで、残りはBee Geesの3人(Barry, Robin & Maurice)による共作が1曲(1)、Robinとの共作が4曲(2, 3, 4, 7)、協同プロデューサーのAlbhy Galutenとの共作が3曲(6, 8, 9)となっている。Bee Geesの貢献は大きく、彼ら特有の美しいファルセットも随所で聴こえてきて、さながら "Bee Gees feat. Barbra Streisand" のような趣きがある。

ファースト・シングルの「Woman in Love」はBillboard Hot 100チャートの1位を獲得。続く「Guilty」は3位、「What Kind of Fool」も10位にチャート・インし、アルバムもBillboard 200チャートの1位を獲得。彼女最大のヒット・アルバムとなった。また「Guilty」は、1981年のグラミー賞において「Best Pop Vocal Performance - Duo or Group」を受賞している。

Barbra Streisandはかなりの高音域で歌う。声にハスキーなところがないので、時おり金属的に聴こえることもあるが、繊細で美しいビブラートがそれを補っている。とても個性的な歌声だと思う。

●収録曲
  1. Guilty (Duet with Barry Gibb) - 4:23
  2. Woman in Love - 3:49
  3. Run Wild - 4:06
  4. Promises / 恋のプロミス - 4:20
  5. The Love Inside - 5:08
  6. What Kind of Fool (Duet with Barry Gibb) / 別離(わかれ) - 4:06
  7. Life Story - 4:38
  8. Never Give Up - 3:44
  9. Make It Like a Memory / 想い出のように - 7:28

◆プロデュース: Barry Gibb(vo, g), Albhy Galuten(sy), Karl Richardson

◆参加ミュージシャン: Cornell Dupree/Lee Ritenour/Pete Carr/George Terry(g), Richard Tee/George Bitzer(k), Harold Cowart/David Hungate(b), Steve Gadd(ds), Joe Lala(per), etc

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