1983年~1987年のロック名盤

のちのアーティストに多大な影響を与え、ヒット・チャートに偉大な記録を残したロック名盤。このページでは、ロックの代表的なアルバムのうち、1983年~1987年に発売された10枚のアルバム(R.E.M., Wham!, Culture Club, Madonna, Cyndi Lauper, U2など)をショート・レビューと共に紹介します。また、関連する他のアルバムや、同じアーティストの他の作品については、参考アルバムとして、アーティスト名とタイトル、発売年をリストします(21作品)。

U2 / Joshua Tree

アルバムのセレクションは、渋谷陽一氏の著書『ロック ベスト・アルバム・セレクション』(1988年, 新潮社)に準拠しました。バイヤーズのための決定版と言える名ガイド・ブック。私も愛読しました。

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1983年~1987年を代表する10枚のアルバム

R.E.M. / Murmur

●397: R.E.M. / Murmur (1983年)

米国オルタナティヴ・ロックを牽引したR.E.M.のデビュー・フル・アルバム(前年にミニ・アルバムを発売)。Michael Stipeの官能的なヴォーカルや謎めいた曲が魅力。1983年は、Michael Jacksonの『Thriller』、The Policeの『Synchronicity』、U2の『War』などの重要作が出た年であるが、ローリング・ストーン誌が選ぶBest Albumは本作だった。


<参考アルバム>

○398: Golden Palominos / Visions Of Excess (1985年)

○399: 10,000 Maniacs / The Wishing Chair (1985年)

Huey Lewis And The News / Sports

●400: Huey Lewis And The News / Sports (1983年)

サンフランシスコ出身のHuey Lewis And The Newsの出世作となった3作目。キャッチーな曲満載で、Billboardのアルバム・チャートで1位を獲得。シングル・チャートでも「Heart and Soul」(8位)、「I Want a New Drug」(6位)、「The Heart of Rock & Roll」(6位)、「If This Is It」(6位)と、立て続けにヒットを飛ばした。


<参考アルバム>

○401: John Cougar Mellencamp / Scarecrow (1985年)

○402: Tom Petty And The Heartbreakers / Damn The Torpedoes (1979年)

○403: Bob Seger / The Distance (1982年)

Eurythmics / Sweet Dreams

●404: Eurythmics / Sweet Dreams (1983年)

Annie LennoxとDavid Stewartによるイギリスの二人組、Eurythmicsのセカンド・アルバム。 タイトル曲がBillboard Hot 100チャートの1位を獲得するヒットとなった。MTVのビデオ・クリップに登場する男装したAnnie Lennoxのアンドロジナスなイメージが、怪しく耽美な曲調と合い、ヒットを後押しした。


<参考アルバム>

○405: Yaz / Upstairs at Eric’s (1982年)

○406: Tears For Fears / Songs From The Big Chair (1985年)

Wham! / Fantastic

●407: Wham! / Fantastic (1983年)

Wham!はGeorge MichaelとAndrew Ridgeleyによるイギリスのポップ・デュオ。ルックスの良さからアイドル・グループ的な見られ方をされたこともあったが、George Michaelは稀代のメロディ・メーカーであり、優れたヴォーカリスト。本作はWham!の音楽的ポテンシャルの高さを証明するデビュー・アルバム。


<参考アルバム>

○408: Wham! / The Final (1986年)

○409: George Michael / Faith (1987年)

Culture Club / Colour By Numbers

●410: Culture Club / Colour By Numbers (1983年)

英国出身のCulture Clubは、Boy George(vo)の個性的なビジュアルとソウル・フィーリング溢れる歌唱により、デビュー作から商業的に成功した。2作目の本作も、Billboardのアルバム・チャートで2位を獲得。シングルも「Karma Chameleon」が1位となった他、「Miss Me Blind」(5位)、「Church of the Poison Mind」(10位)と、ヒットを連発した。


<参考アルバム>

○411: Kid Creole & The Coconuts / Fresh Fruit In Foreign Places (1981年)

○412: Dr. Buzzard’s Original Savannah Band / Dr. Buzzard’s Original Savannah Band (1979年)

The Cars / Heartbeat City

●413: The Cars / Heartbeat City (1984年)

ボストン生まれのロック・バンド、The Carsの5作目。イギリスのモダン・ポップとアメリカらしいギター・サウンドを合わせたキャッチーな曲で人気を呼んだ。本作はセールス面で最も成功。アルバムはBillboardのチャートの3位となり、シングルは「You Might Think」「Magic」「Drive」「Hello Again」がTop20に入った。


<参考アルバム>

○414: The Cars / Greatest Hits (1985年)

○415: Jonathan Richman & The Modern Lovers / Modern Lovers (1976年)

Madonna / Like A Virgin

●416: Madonna / Like A Virgin (1984年)

Madonnaのセカンド・アルバム。ChicのNile Rodgersをプロデュースに起用した本作は、Billboardのアルバム・チャートで念願の1位を獲得。シングルも次々にTop10入りし、世界的なヒットとなった。この成功により、Madonnaはポップ・シーンの人気スターとなっただけでなく、そのファッションや仕草も流行し、多くの女性ファンを獲得した。


<参考アルバム>

○417: Grandmaster Flash & The Furious Five / The Message (1982年)

○418: Run D.M.C. / Raising Hell (1986年)

Peter Gabriel / SO

●419: Peter Gabriel / SO (1986年)

1975年にGenesisを脱退後、アフリカ音楽を始めとするエスニックな要素を取り入れるなど、一貫して良質なソロ・アルバムを出してきたPeter Gabrielが、商業面でも大きな成功を収めた作品。全体的にポップな仕上がりとなっており、「Sledgehammer」がBillboard Hot 100の1位になった他、Kate Bushとのデュエット「Don’t Give Up」も話題となった。


<参考アルバム>

○420: Peter Gabriel / Peter Gabriel 3 (1980年)

○421: Peter Gabriel / Peter Gabriel 4 (1982年)

Cyndi Lauper / True Colors

●422: Cyndi Lauper / True Colors (1986年)

『She’s So Unusual』というデビュー・アルバムの大ヒットにより、Madonnaと並んで人気を集めたCyndi Lauper。セカンド・アルバムの本作は、彼女が単に “Unusual" でアヴァンギャルドなだけでなく、本格的なポップ・アーティストであるという評価を確かなものにした。本作から、タイトル曲や「Change of Heart」などのヒット曲が生まれた。


<参考アルバム>

○423: Go-Go’s / Beauty & The Beat (1981年)

○424: Bangles / Different Light (1986年)

U2 / Joshua Tree

●425: U2 / Joshua Tree (1987年)

U2はアイルランド出身。サード・アルバム『War』までは社会への憤りを歌にしたようなストレートなロックで人気を得たが、Brain Enoをプロデューサに迎えると、深みのある成熟したサウンドに変化した。5作目の本作はそれを更にスケール・アップし、大ベスト・セラーを記録。「With or Without You」のようなロマンティシズム溢れる名曲が生まれた。


<参考アルバム>

○426: U2 / War (1983年)

○427: U2 / Unforgettable Fire (1984年)

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