ロックの名盤 (その他)

のちのアーティストに多大な影響を与え、ヒット・チャートに偉大な記録を残したロック名盤。このページでは、ロックとブラック・ミュージックとの関わりから8枚のアルバム(Robert Johnson, Sam Cooke, Chuck Berry, Little Richardなど)をショート・レビューと共に紹介します。

Little Richard / Here's Little Richard

アルバムのセレクションは、渋谷陽一氏の著書『ロック ベスト・アルバム・セレクション』(1988年, 新潮社)に準拠しました。バイヤーズのための決定版と言える名ガイド・ブック。私も愛読しました。

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ロックのルーツに触れる8枚のアルバム

ロックとブラック・ミュージック① – Blues, Gospel

●428: Robert Johnson / King Of Delta Blues Singers (1961年)

ギターのテクニックを手に入れるためにCross Road(十字路)で悪魔に魂を売ったという伝説が残るブルース・ギタリスト。 1936年に最初のレコーディングをし、1938年に死去。 Johnsonのレコーディングを収めた最初のLPが本作。 生涯で2回しかレコーディングしていないが、ClaptonやStonesなど後世のロック・ミュージシャンに多大な影響を与えた。

●429: Sam Cooke / The Man & His Music (1986年)

牧師の家で生まれたSam Cookeは、19歳からゴスペル・グループのリード・ヴォーカリストとして活動。 その後、ポップ・シーンに転身してソロとなり、R&Bやポップ・チャートでヒットを飛ばした。 なめらかな節回しの歌唱スタイルは、Otis Reddingを始めとするR&Bシンガーや、Rod Stewartのようなロック・ミュージシャンに影響を与えた。

ロックとブラック・ミュージック② – Rock 'n’ Roll

Chuck Berry / Very Good

●430: Chuck Berry / Very Good (1983年)

Chuck Berryは独特のギター・リフや奏法で、8ビートのロックン・ロールの基本形を作った。 “ダック・ウォーク" と呼ばれる個性的な演奏スタイルも有名。 Stonesのデビュー曲「Come On」や、Beatlesの「Roll Over Beethoven」「Rock’n’Roll Music」、Beach Boysの「Surfin’ U.S.A.」の元曲「Sweet Little 16」などは、Berryのヒット曲である。

●431: Little Richard / Here’s Little Richard (1957年)

「Lucille」「Long Tall Sally」などのヒット曲で知られるLittle Richardは、激しくピアノを弾きながらエネルギッシュに歌う独特のロックン・ロールで人気を得た。 Paul McCartneyのヴォーカル・スタイルや、Littel Richardのツアー・メンバーだった時期があるJimi Hendrix、あるいはPrinceなどに、その影響を見ることができる。

ロックとブラック・ミュージック③ – Soul

Smokey Robinson & The Miracles / Greatest Hits Vol.2

●432: Smokey Robinson & The Miracles / Greatest Hits Vol.2 (1968年)

60年代にデトロイトから登場したモータウン・サウンド。 The Miraclesのリード・シンガーであるSmokey Robinsonは、優れたソングライターとして、またモータウン社の副社長として、モータウン・サウンドを牽引した。 そのファルセット・ヴォイスは多くのソウル・シンガーや、Roxy MusicのBryan Ferryなどに影響を与えている。

●433: Diana Ross & The Supremes / 25th Anniversary (1985年)

Diana Rossが在籍したThe Supremesもモータウン・サウンドを代表するアーティスト。 「Stop! In the Name of Love」や、Phil Collinsがカヴァーした「You Can’t Hurry Love」など、No.1ヒットを次々と生んだ。 Wham!の一連のヒット曲も、この頃のモータウン・サウンドやそのヒット曲の影響を受けていると言える。

ロックとブラック・ミュージック④ – Funk

●434: Earth Wind & Fire / Spirit (1976年)

70年代に登場したヴォーカル/インストゥルメンタル・グループの中で圧倒的な人気を得たのがEW&F。 ファンキーなリズムと華やかなファルセット・コーラス、力強いホーンとギター、そして躍動するステージ・パフォーマンスにより、幅広い層を魅了した。 本作は「Getaway」「Saturday Nite」などのヒット曲を含む、70年代中盤の作品。

●435: Roger Troutman / Unlimited (1987年)

James Brown~Sly & The Family Stoneというファンク・ミュージックの王道を引き継いで70年代に人気があったのが、George Clintonが始めたPファンクと呼ばれるジャンル。 80年代にその流れを引き継いだのが、ファンク・バンドZappを率いたRoger Troutmanや、Princeとされる。 本作は80年代特有のエレクトロ・ファンク。

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