Marvin Gaye / Midnight Love (1982年) – アルバム・レビュー

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Marvin Gayeの1982年のアルバム『Midnight Love』の紹介です。

Marvin Gaye / Midnight Love (1982年) フロント・カヴァー

"Prince of Motown" や "Prince of Soul" とも称されるMarvin Gayeは、米モータウン・レコードを代表するミュージシャンの一人。1961年にモータウン傘下のTamla Recordsと契約し、60年代から70年代にかけて数多くのヒット曲とアルバムを残している。

21年間在籍したモータウン時代の代表作を挙げるとしたら、70年代に発表した『What's Going On』(71年, 米6位)、『Let's Get It On』(73年, 米2位)、『I Want You』(76年, 米4位)あたりになるだろうか。

80年代に入るとMarvin Gayeはモータウン・レコードとの契約を解消し、新たにコロンビア・レコードと82年に契約する。そして発表された最初のアルバムがこの『Midnight Love』。84年に44歳の若さで他界するGayeの生前最後のアルバムだ。

それまでのアルバムと同様にプロデュースをMarvin Gaye自らが担当し、ギタリストのGordon Banksの書いた「My Love Is Waiting」を除く全曲を自作。このうちシングル・ヒットした「Sexual Healing」については、ジャズ・オルガン奏者のOdell Brown、作家のDavid Ritzと共作している。

シンセサイザーとドラム・マシーン(ローランド・TR-808)を多用した80年代らしいサウンドが魅力のアルバム。そのTR-808を始めとする多くの楽器をMarvin Gayeが演奏しているので、ホーン・セクションを除く参加ミュージシャンは、ギターのGordon Banksと、「Midnight Lady」の1曲でドラムスを演奏したJames Gadsonぐらいだ。

それでは、このアルバムから3曲を紹介。

まずは、ファースト・シングルになった「Sexual Healing」を。柔らかいリズムとさっぱりしたハンド・クラップ。リラックスした明るいメロディ。曲もサウンドもシンプルだが、Marvin Gayeが滑らかに歌い出すと、華やかで官能的になる。この曲は久しぶりのヒットになり、全米チャートの3位、R&Bチャートでは1位を記録。83年のグラミー賞では "Best Male R&B Vocal Performance" と "Best R&B Instrumental Performance" の2部門を受賞し、これがGayeの生涯唯一のグラミー受賞になった。

2曲目は、Marvin Gayeの官能的なウィスパー・ヴォイスで始まるソウル・バラードの「'Til Tomorrow」。この曲ではGayeがシンセサイザーを、Gordon Banksがギター, ベース, ドラムスを、そしてBobby Sternが洒落たサックス・ソロを演奏している。「Sexual Healing」よりもさらにシンプルなリズムとサウンドだが、とてもゴージャスな聴き心地。

3曲目は、Gordon Banks作のラスト・ナンバー「My Love Is Waiting」。「Sexual Healing」とよく似た雰囲気の曲で、イントロではMarvin Gayeが陽気に関係者へのThanksを述べる。Harvey Fuqua(バック・ヴォーカル), Gordon Banks(ギター), Mike Butcher(エンジニア), Larkin Arnold(CBS幹部)と続いたあとに、"most of all, we want to thank our Heavenly father, Jesus!" で締めくくる。最高です。この曲ではGayeがシンセサイザーとハモンド・オルガンを、Gordon Banksがドラムス, ギター, ベース, フェンダー・ローズと、多くの楽器を演奏している。

リラックスしたナンバーを3曲紹介したが、「Midnight Lady」や「Rockin' After Midnight」のようなダンサブルなナンバーにも何とも言えない色香があって、とても気持ちいい。

夏のうだるような暑い日になると聴きたくなるアルバムです。

●収録曲
  1. Midnight Lady - 5:17
  2. Sexual Healing - 3:59
  3. Rockin' After Midnight - 6:04
  4. 'Til Tomorrow - 4:57
  5. Turn On Some Music - 5:08
  6. Third World Girl - 4:36
  7. Joy - 4:22
  8. My Love Is Waiting - 5:07

◆プロデュース: Marvin Gaye(vo, k, sy, ds, drum machine, per)

◆参加ミュージシャン: Gordon Banks(g, b, bv, ds, k), James Gadson(ds), Bobby Stern(sax, harmonica), Joel Peskin(sax), Harvey Fuqua(bv), David Stout/The L.A. Horn Section(horns), Curt Sletten/Harry Kim(tp), Alan Kaplan(tb), etc

スポンサーリンク