KOINONIA / KOINONIA (1989年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、KOINONIAの1989年のアルバム『KOINONIA』の紹介です。

KOINONIAはベーシストのAbraham Laborielを中心に1980年に結成され、91年まで活動したフュージョン・グループ。結成時のメンバーはAbraham Laboriel(b), Alex Acuña/Bill Maxwell(ds, per), Harlan Rogers(k), Dean Parks/Hadley Hockensmith(g), John Phillips(sax)の7人。実力のあるプレイヤーの集まりで、グループ解散後もそれぞれがセッション・ミュージシャンとして活躍している。
KOINONIAには3枚のスタジオ・アルバム(82年, 86年, 89年)と1枚のライヴ・アルバム(84年)があり、本作『KOINONIA』はラスト・アルバム。SeawindのJerry Heyによるプロデュースという珍しいアルバムで、88年にヴォーカル&キーボード担当のLou Pardiniが加入したことで、収録曲の半分(1, 2, 4, 6, 9)がヴォーカル曲になっている。
KOINONIAは曲の複雑さや高度な演奏技量をアピールするグループではなく、Stuff路線というか、心地よいメロディとリラックスした演奏を聴かせるグループ。本作もそうした曲が多く、Lou Pardiniのマイルドで伸びやかな歌声との相性もいい。ソウル・フィーリング溢れる「Talk About It」、都会的でクールな「We Know The Way By Heart」、哀愁味あるバラードの「Is It Too Late」など、魅力的なヴォーカル曲が揃っている。
Lou PardiniはBill Champlinの後任として2009年にChicagoのメンバーとなり、現在も活動中。Chicagoのアルバムでは、2011年の『O Christmas Three』と2014年の最新作『XXXVI: Now』で、その歌声を聴くことができる。
- ●収録曲
- Talk About It - 4:50
- We Know The Way By Heart - 3:54
- Alegria - 4:01
- Is It Too Late - 5:01
- Mistral - 4:56
- We're All In This Together - 4:17
- Come Share My World - 4:29
- You Are My Love - 4:24
- Straight To Paradise - 3:51
- Lyn - 2:52
◆プロデュース: Jerry Hey
◆参加ミュージシャン: Lou Pardini(vo, k), Harlan Rogers(k), Abraham Laboriel(b, ag), Bill Maxwell(ds), Justo Almario(sax)
with Michael Landau/Dean Parks(g), Michael Fisher(per), Jeff Pescetto/Alfie Silas(bv)
KOINONIAのアルバムのほとんどは、CDの入手が難しい。2010年12月には、全アルバムと2つのライヴ映像(83年, 84年)を収めた4CD & 2DVDのBOXセット『All The Best』がリリースされたが、これも残念ながら高値になっている。
- ●BOXセットの内容
-
<CD>
- 『More than a Feelin'』(82年)
- 『Celebration (Live)』(84年)
- 『Frontline』(86年)
- 『Koinonia』(89年)
- スウェーデンでのライヴ映像 (1983/3/19, 58分)
- スイスMontreuxでのライヴ映像 (1984/7/21, 82分)
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