Glenn Frey / Soul Searchin’ (1988年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Glenn Freyの1988年のアルバム『Soul Searchin'』の紹介です。

Glenn FreyはEaglesの創設メンバーの一人。1971年にDon Henley等と4人でグループを立ち上げ、Freyはリード・シンガーとギタリスト、ソングライターを担当する中核として活躍した。Eaglesは80年に解散して94年に再結成するが、Freyはその間に4枚のソロ・アルバムをリリースしており、本作『Soul Searchin'』は3作目にあたる。
Glenn Freyはモータウン・サウンド発祥の地であるデトロイトの生まれであり、ソウル・ミュージックやR&Bの影響を身近に受けている。「New Kid in Town」や「Heartache Tonight」などのEaglesの曲に感じられる温もりやソウル・フィーリングはFreyの持ち味だ。
本作もGlenn Freyのソウルフルな魅力に溢れたアルバム。「Two Hearts」を除く全曲がFreyのオリジナルであり、そのうちの8曲(1~8)はEaglesからの曲作りのパートナーであるJack Tempchinとの共作。クールでモダンな「Two Hearts」については、James Newton-Howard等の作だ。Steely Danのエンジニアとして知られるElliot Scheinerがプロデュースを、Nick DeCaroがアレンジを担当し、サウンドはとても洗練されている。
「Some Kind of Blue」「True Love」「I Did It for Your Love」「Soul Searchin'」「It's Your Life」は、ソウルフルでスローなナンバー。優しいメロディと穏やかな曲調が心地よく、Freyの歌声にも包容力がある。「True Love」はシングル・カットされて、Billboard Hot 100チャートの13位を記録。アルバムはBillboard 200チャートの36位をマークした。
「True Love」の力強いサックスはChris Mostertによる名演。ラストの美しいナンバー「It's Your Life」の泣かせるサックスもChris Mostertだ。なお、Glenn Freyはベース、ギター、ドラムス、キーボード、パーカッションなど多彩な楽器を操っており、それもまた素晴らしい。
このアルバムではないが、82年のファースト・ソロ・アルバム『No Fun Aloud』の「That Girl」も穏やかで優しい曲。『No Fun Aloud』にはもう1曲、「The One You Love / 恋人」という素晴らしいバラードがあるので、そちらも是非聴いて欲しい。
- ●収録曲
- Livin' Right - 5:07
- Some Kind of Blue - 4:40
- True Love - 4:40
- Can't Put Out This Fire - 5:04
- I Did It for Your Love - 4:00
- Let's Pretend We're Still in Love - 4:51
- Working Man - 3:25
- Soul Searchin' - 5:38
- Two Hearts - 4:01
- It's Your Life - 4:58
◆プロデュース: Elliot Scheiner, Glenn Frey(vo, g, k, b, ds, per, ar), David "Hawk" Wolinski(ar, k), James Newton Howard
◆参加ミュージシャン: Nick DeCaro(ar), Michael Landau/Bruce Gaitsch/Paul Jackson Jr.(g), Robbie Buchanan/Barry Beckett(k), Chris Mostert(sax), Russ Kunkel/John Robinson(ds), Ralph MacDonald/Steve Forman(per), Timothy B. Schmit/Max Carl(bv), etc
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