Gary Ogan / Gary Ogan (1977年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Gary Oganの1977年のアルバム『Gary Ogan』の紹介です。

Gary Ogan / Gary Ogan (1977年) フロント・カヴァー

Gary Oganは、Leon Russellと交流のあるシンガー・ソングライター。1976年のLeon Russellのアルバム『奏でる愛の調べ』ではGary Oganがアシスタント・プロデューサーを担当しており、曲作りと楽器演奏(ドラムスとベース)でも貢献している。この時、Oganはまだ24歳という若さ。

本作は、その翌年に発表されたGary Oganのソロ・デビュー作。Leon Russellの立ち上げたParadise Recordsからのリリースで、Leon Russellがプロデュースに協力したほか、ストリングス・アレンジとパーカッション、鍵盤を担当している。また、Leonの奥様のMaryもバック・ヴォーカルで参加した。

Gary Oganはマルチ・プレイヤーなので、歌うこと以外に、ドラムスを始めとするほとんどの楽器を演奏している。また、優れたメロディ・メイカーでもあり、瑞々しいメロディが魅力。「Nothing's Right When Love's Gone Wrong」「Foolish Love」「Over And Over」あたりのナイーヴで寂しげなメロディには、胸がキュンとしてしまう。苦みのある歌声もチャーミングだ。

AORスタイルの「The Road」や、Marvin Gayeが歌いそうな爽やかな高揚感のある「Everybody Wants Your Love」も素晴らしいナンバー。曲によってはPaul McCartneyやStevie Wonderからの影響も感じられるが、甘すぎるような曲はなく、自然でさり気ないタッチがいい。

Oganが20歳の年にリリースされたGary Ogan & Bill Lamb名義のアルバム『Portland』(72年)も、シンガー・ソングライターの名盤とのこと。また、Gary Oganのサイトを見ると、82年、92年、2000年、2010年にもアルバムを発表していることが分かる。

●収録曲
  1. Make Me Sing - 3:59
  2. The Road - 3:41
  3. Wonderland (Take Me Away) - 3:22
  4. Sold On You - 3:37
  5. Nothing's Right When Love's Gone Wrong - 3:44
  6. Foolish Love - 3:25
  7. Over And Over - 2:58
  8. Everybody Wants Your Love - 4:05
  9. Once More For Me - 5:18
  10. The Road Of Saints - 3:56

◆プロデュース: Gary Ogan(vo, g, k, b, ds, per), Leon Russell(k, per), Greg Branson

◆参加ミュージシャン: Doug Fraser(g), John Guerin(ds), Marty Grebb(sax), Plas Johnson(sax, fl), Steve Lowry(flugelhorn), The Gringos(horns), Mary Russell/Dale Krantz(bv)

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