Gary Ogan / Gary Ogan (1977年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Gary Oganの1977年のアルバム『Gary Ogan』の紹介です。

Gary Oganは、Leon Russellと交流のあるシンガー・ソングライター。1976年のLeon Russellのアルバム『奏でる愛の調べ』ではGary Oganがアシスタント・プロデューサーを担当しており、曲作りと楽器演奏(ドラムスとベース)でも貢献している。この時、Oganはまだ24歳という若さ。
本作は、その翌年に発表されたGary Oganのソロ・デビュー作。Leon Russellの立ち上げたParadise Recordsからのリリースで、Leon Russellがプロデュースに協力したほか、ストリングス・アレンジとパーカッション、鍵盤を担当している。また、Leonの奥様のMaryもバック・ヴォーカルで参加した。
Gary Oganはマルチ・プレイヤーなので、歌うこと以外に、ドラムスを始めとするほとんどの楽器を演奏している。また、優れたメロディ・メイカーでもあり、瑞々しいメロディが魅力。「Nothing's Right When Love's Gone Wrong」「Foolish Love」「Over And Over」あたりのナイーヴで寂しげなメロディには、胸がキュンとしてしまう。苦みのある歌声もチャーミングだ。
AORスタイルの「The Road」や、Marvin Gayeが歌いそうな爽やかな高揚感のある「Everybody Wants Your Love」も素晴らしいナンバー。曲によってはPaul McCartneyやStevie Wonderからの影響も感じられるが、甘すぎるような曲はなく、自然でさり気ないタッチがいい。
Oganが20歳の年にリリースされたGary Ogan & Bill Lamb名義のアルバム『Portland』(72年)も、シンガー・ソングライターの名盤とのこと。また、Gary Oganのサイトを見ると、82年、92年、2000年、2010年にもアルバムを発表していることが分かる。
- ●収録曲
- Make Me Sing - 3:59
- The Road - 3:41
- Wonderland (Take Me Away) - 3:22
- Sold On You - 3:37
- Nothing's Right When Love's Gone Wrong - 3:44
- Foolish Love - 3:25
- Over And Over - 2:58
- Everybody Wants Your Love - 4:05
- Once More For Me - 5:18
- The Road Of Saints - 3:56
◆プロデュース: Gary Ogan(vo, g, k, b, ds, per), Leon Russell(k, per), Greg Branson
◆参加ミュージシャン: Doug Fraser(g), John Guerin(ds), Marty Grebb(sax), Plas Johnson(sax, fl), Steve Lowry(flugelhorn), The Gringos(horns), Mary Russell/Dale Krantz(bv)
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