Carole Bayer Sager / … Too (1978年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Carole Bayer Sagerの1978年のアルバム『... Too』の紹介です。

Carole Bayer Sager / ... Too (1978年) フロント・カヴァー

Carole Bayer Sagerはニューヨーク生まれの作詞家。Melissa Manchesterの「Don't Cry Out Loud」(78年, 米10位)、Christopher Crossの「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」(81年, 米1位)、Dionne & Friendsの「That's What Friends Are For」(85年, 米1位)、Patti LaBelle & Michael McDonaldの「On My Own」(86年, 米1位)など、数々の名曲、ヒット曲を生んでいる。

自身のアルバムは3枚を残しており、この『... Too』はセカンド・アルバム。77年の1作目『私自身』に続いて、Brooks Arthurがプロデュースを担当し、共作者の顔ぶれもほぼ同じ。Melissa Manchester(1, 3)、Peter Allen(5)、Bruce Roberts(4, 9, 10)、Marvin Hamlisch(6)、Johnny Vastano(7)となっている。

本作の変化は、これにDavid Fosterが加わり、2曲(2, 8)を共作したこと。また、Alice Cooperも1曲(4)を共作。更に、TOTOのSteve Lukather(g), David Hungate(b), Jeff Porcaro(ds)や、Jay Graydon(g)、Michael McDonald/Bill Champlin(bv)等、油の乗ったミュージシャンがサポートしたことで、サウンドの艶っぽさが増している。

その好例が、David Fosterと共作した「It's The Falling In Love / 恋をしましょう」。華やいだメロディのポップなナンバーで、Michael Jacksonが79年の名盤『Off the Wall』で、この曲をいち早くカヴァーした。

David Fosterのもう1曲、「I Don't Wanna Dance No More / 踊りたくないの」も、Jerry HeyのホーンやBill Champlinのホットなバック・ヴォーカル、Jeff Porcaroのグルーヴ感抜群のドラムスにより、爽やかなダンス・チューンになっている。

全体的にはファースト・アルバム同様、詩情豊かなバラード系の曲で固められており、優しさ溢れるアルバム。耳元で囁くようなCarole Bayer Sager独特の歌唱スタイルも、とても親密感がある。

1曲目の「To Make You Smile Again / 微笑をもう一度」はクラシカルな雰囲気漂うしっとりした曲で、ストリングス・アレンジをDon Costaが担当した。Melissa Manchesterも同年のアルバム『Don't Cry Out Loud』で歌っているが、そちらではLeon Wareがリズム・アレンジを担当し、ボサノヴァ感覚の華やかな曲に仕上げている。個人的にはMelissa Manchesterのバージョンの方が好みかな…

通常、レコードのA面は "Side One" 、B面は "Side Two" であるが、このアルバムでは、B面が "Side Too" になっている。その心は、、、ちょっと分からない。

●収録曲
  1. Second Chance - 3:54
  2. To Make You Smile Again / 微笑をもう一度 - 3:03
  3. It's The Falling In Love / 恋をしましょう - 3:55
  4. Peace In My Heart - 3:26
  5. Shadows - 2:12
  6. You're Interesting / わがままな恋 - 3:58
  7. There's Something About You / 魅せられて - 2:46
  8. It Doesn't Add Up - 4:08
  9. I Don't Wanna Dance No More / 踊りたくないの - 3:51
  10. One Star Shining - 3:35
  11. I'm Coming Home Again - 4:42

◆プロデュース: Brooks Arthur

◆参加ミュージシャン: David Foster(ar, k), Marvin Hamlisch(ar, k), Melissa Manchester(k, bv), Bruce Roberts(k), Craig Doerge(k), Jay Graydon/Steve Lukather(g), Lee Sklar/David Hungate(b), Russ Kunkel/Jeff Porcaro(ds), Michael McDonald/Bill Champlin/Brenda Russell/David Lasley(bv), etc

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