Brett Raymond / Only Love (1986年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Brett Raymondの1986年のアルバム『Only Love』の紹介です。

Brett Raymondは、アメリカのシンガー・ソングライター。1982年にSouvenirというグループのメンバーとして音楽活動をスタートするも、2枚のシングルを出してグループは解散し、その後は日本に活動の拠点を移して、テレビCMの作曲などを手がけていた。この『Only Love』は、日本のSixty Recordsと契約して制作したデビュー・アルバム。日本やアジア地域限定でリリースされている。

日本主導の制作だが、Maxusの中心人物のJay GruskaがBrettと共同でプロデュースを担当しており、バック・ミュージシャンも、Steve Lukather/Michael Landau(g), Randy Waldman(k), Michael Porcaro(b), Michael Fisher(per), Joseph Williams(bv)など、LAの実力派が参加している。

曲作りでは、Brettがすべての作曲を手がけ、作詞に関してはRon Broughと分担した。ミディアム・スローのナンバーを中心に、メロティの良さをじっくり聴かせるタイプの曲が多い。

Brettは28歳だが、どこか枯れたオーラがあって、ロマンティック。少しハスキーで陰のある歌声も、憂いのある曲調に合っている。「Only Love」や「Send It To Me」、「Some Change Around Here」などの甘いバラードも魅力で、Bobby Caldwellのアルバム『Heart Of Mine』(89年)みたいな素敵な雰囲気を纏っている。

Steve Lukatherが2曲(1, 7)、Michael Landauが2曲(3, 8)でギター・ソロを分け合っているが、曲の雰囲気に合わせて、演奏はいつもより控えめかも。

2012年にヴィヴィド・サウンドからCDがリイシューされた際には、Brettの歌声をフィーチャしたお洒落な2曲がボーナス・トラックとして追加された。Brett Raymondのサイト を見ると、本作以降も7枚ほどのアルバムを制作しているようだ。

●収録曲
  1. Walk Into Love - 4:34
  2. What About You (And Me) - 4:06
  3. Only Love - 4:27
  4. It's Not Like The Movies - 4:23
  5. Send It To Me - 3:20
  6. When You Say You Love Me - 4:47
  7. Please Don't Look At Me That Way - 4:08
  8. We Just Can't - 4:53
  9. Some Chances Around Here - 5:23
  10. Oh, What Do You Do In The Summertime? (Bonus Track)
  11. In The Leafty Treetops (Bonus Track)

◆プロデュース: Jay Gruska(k, program, bv), Brett Raymond(vo, k)

◆参加ミュージシャン: Steve Lukather/Michael Landau(g), Randy Waldman(k), Michael Porcaro(b), John Keane(cymbals), Michael Fisher(per), Steve Tavaglione(sax), Joseph Williams/James House(bv), etc

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