Brenda Russell / Two Eyes (出逢いのときめき) (1983年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Brenda Russellの1983年のアルバム『Two Eyes / 出逢いのときめき』の紹介です。

Brenda Russell / Two Eyes (出逢いのときめき) (1983年) フロント・カヴァー

Brenda Russellはニューヨーク生まれの才能溢れるシンガー・ソングライター。本作は寡作な彼女のサード・アルバムである。ジャケットからはR&B/ソウルを深く味わう作品という印象を受けるが、内容の方はエレガントな曲/サウンドと彼女のしなやかな歌声を楽しむ爽やかなAORだ。

プロデューサーをTommy LiPuma、レコーディング/ミキシングをAl Schmittが担当し、サウンドはとても磨かれている。二人の手がけるアルバムに外れはないという名コンビだが、このアルバムも期待を裏切らない。

全曲がBrenda Russellのオリジナルで、4曲(1-3, 5)を大御所と共作。軽やかなグルーヴが心地よい「I Want Love To Find Me」はBill LaBountyと、しなやかでエレガントな「It's Something」はDavid Fosterと、小粋なシティ・ソウルの「Hello People」はMichael McDonaldと、落ち着いたバラードの「Stay Close」はDon Grusinとの共作だ。「It's Something」は、Leslie Smithが82年のアルバム『Heartache』で歌っている。

彼女のしなやかなヴォーカルは曲を選ばない。「Stay Close」のようなバラードも、「Jarreau」のようなジャジーなナンバーも器用に歌いこなす。ビブラートをあまり使わずにさらっと歌うので、爽やかな後味だ。「Jarreau」では、Al Jarreauのようなパーカッシヴ・ヴォイスも少しだけ披露している。

「I'll See You Again」の印象的なハーモニカはStevie Wonder。ラストの「Look Down, Young Soldier」では、バック・ヴォーカルにAl Jarreau, Christopher Cross, David Lasley, Donny Gerrard, James Ingram, Joe Esposito, Leon Ware, Patrice Rushen, Pattie Brooks, Randy Crawford, Rita Coolidgeという錚々たる名前が並ぶ。

参加ミュージシャンが凄く豪華だが、彼女の書く曲の良さがそれに負けていないところが素晴らしい。

●収録曲
  1. I Want Love To Find Me / 出逢いのときめき - 3:02
  2. It's Something / 愛のサムシング - 3:31
  3. Hello People - 3:24
  4. Two Eyes - 3:16
  5. Stay Close / あなたのそばに - 4:25
  6. Jarreau - 3:13
  7. New York Bars - 4:04
  8. I'll See You Again / 愛は時をこえ - 4:20
  9. Look Down, Young Soldier - 4:40

◆プロデュース: Tommy LiPuma

◆参加ミュージシャン: David Williams/Dean Parks/Caleb Quaye(g), David Foster/Michael McDonald/Bill LaBounty/Robbie Buchanan/Leon Pendarvis/James Newton Howard/Don Grusin(k), Nathan East(b), John Robinson(ds), Paulinho Da Costa(per), Jerry Hey(tp), Larry Williams(sax), Stevie Wonder(harmonica), Al Jarreau/Christopher Cross/Patrice Rushen/Leon Ware/James Ingram(bv), etc

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