Alessi / Long Time Friends (そよ風にくちづけ) (1982年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Alessiの1982年のアルバム『Long Time Friends / そよ風にくちづけ』の紹介です。
Alessiは、Billy AlessiとBobby Alessiによる双子のポップ・ロック・デュオ。ジャケットの写真を見ると分かるように、二人はとても美形である。この時、二人は29歳だ。
本作は、Alessiの5枚目のアルバム。前作までの4枚はA&Mレコードからのリリースだが、本作はQuincy Jonesの主宰するQwestレコードからの発売である。
本作のプロデュースは、当時絶好調であったChristopher Crossと、ワーナーの重役であるMichael Ostinが担当した。Christopher Crossにとって、初のプロデュース作品になるようだ。また、Quincy Jones御大がエグゼクティヴ・プロデューサーを務めている。
収録曲は全て、Alessi兄弟による作品。程よい甘さと切なさがあるメロディ、爽やかなサウンド、ハイトーンで繊細な美声。Christopher Crossがプロデューサーであるせいか、作品全体の雰囲気は、どこか1980年の名盤『Christopher Cross / 南から来た男』に近いものがある。
Christopher Crossは演奏面でもギターとバック・ヴォーカルで全面協力。特に「Forever / 想いはとこしえに」では、Alessi兄弟と一緒に歌っており、一聴して分かる美声を添えている。
また、Alessi兄弟とPatti Austinがデュエットするバラード「What A Way To Go / 愛のゆくえ」も素晴らしい。哀愁漂う大人びたメロディのバラードで、Ernie WattsのSaxソロが切なく、ロマンティックに響く。
本作以降しばらく間が空くが、2000年からアルバム制作を再開し、現在も活動中。なお1984年には、あの映画『Ghostbusters』のサウンド・トラックに、「Savin' the Day」という曲を提供しており、面白い。
このアルバムは、ワーナーの「AOR BEST SELECTION 1300」シリーズから、9月21日に高品質SHM-CDで再発された。歌詞・対訳に加えて中田利樹氏の詳しい解説も付いており、満足度の高いリイシューである。
- ●収録曲
- Jagged Edge / 愛はいたずら - 3:30
- You Got The Way - 3:05
- As Far As I'm Concerned / 恋人たちのララバイ - 4:09
- Rise Up - 3:33
- I'm Gonna Tell Her Tonight / 今夜つたえて - 3:45
- Put Away Your Love / そよ風にくちづけ - 3:34
- What A Way To Go / 愛のゆくえ - 4:26
- Still In Love - 4:19
- How Long, How Much - 4:03
- Forever / 想いはとこしえに - 3:49
- Long Time Friends - 2:49
◆プロデュース: Christopher Cross(g, bv), Michael Ostin
◆参加ミュージシャン: Billy Alessi(vo, k), Bobby Alessi(vo)
with Larry Carlton/Eric Johnson/Steve Lukather(g), Rob Meurer/Michael Omartian/Robbie Buchanan(k), Neil Stubenhaus/Rascoe Beck(b), Jeff Porcaro/Tommy Taylor(ds), Lenny Castro(per), Victor Feldman(per, vib), Ernie Watts(sax), Tom Scott(lyricon), Jerry Hey(tp), Patti Austin(bv), etc
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません