Santana / Zebop! (1981年) – アルバム・レビュー
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Santanaの1981年のアルバム『Zebop!』の紹介です。

Santanaは、ギタリストのCarlos Santana率いるロック・バンド。1966年にサン・フランシスコで結成され、現在に至るまで半世紀以上も活動を続けている。Carlos Santana以外のメンバーは入れ替わるため、在籍メンバーは延べ70名を超えており、大勢のSantana卒業生を輩出している。
この『Zebop!』は80年代に入って最初に発表されたアルバム。Santanaはラテン・ロックをベースにしながら年代によって作風を変えており、本作の楽曲はややポップな味わい。一方、Carlosのギターは割とハードで重たい音を出しており、サウンドはロック色が強い。
収録された12曲のうち8曲はヴォーカル曲で、その半分(1, 5, 6, 8)は他作の曲を取り上げている。
「Changes」はCat Stevensの作で、71年のアルバム『Teaser and the Firecat』からのカヴァー。「Over And Over」はRick Meyersの書き下ろし。「Winning」はRuss Ballardの作で、76年のアルバム『Winning』のタイトル曲。「The Sensitive Kind」はJ.J.Cale作で、79年のアルバム『5』からのカヴァーである。
このうち、Russ Ballardの「Winning」はBillboard Hot 100チャートの17位をマークし、久し振りにTop 20にチャート・イン。また、「The Sensitive Kind」も56位に到達し、アルバム自体もBillboard 200チャートの9位を記録した。
Carlosのギターを存分に味わえるインストゥルメンタル曲は、「Primera Invasion」「Tales Of Kilimanjaro / キリマンジャロの伝説」「American Gypsy」「I Love You Much Too Much / 哀愁の旅路」の4曲。
「キリマンジャロの伝説」は名作『Caravanserai』を彷彿とさせるミステリアスなナンバーだ。また「哀愁の旅路」は、邦題から想像できるように「哀愁のヨーロッパ」風。Carlosの官能的なギターを聴くことができる。
個人的には哀愁漂うブルース・ナンバー「Brightest Star」におけるCarlosのギターが一番のお気に入りだ。
このアルバムは、2016年8月のソニー「AOR CITY 1000」シリーズの1枚に選ばれている。AORというジャンルの日本におけるカバレッジの広さが分かる。
- ●収録曲
- Changes - 4:28
- E Papa Ré - 4:33
- Primera Invasion - 2:08
- Searchin' - 3:55
- Over And Over - 4:49
- Winning - 4:11
- Tales Of Kilimanjaro / キリマンジャロの伝説 - 3:25
- The Sensitive Kind - 3:33
- American Gypsy - 3:37
- I Love You Much Too Much / 哀愁の旅路 - 4:43
- Brightest Star - 4:50
- Hannibal - 3:43
◆プロデュース: Bill Graham, Carlos Santana(g), Keith Olsen
◆参加ミュージシャン: Alex Ligertwood(vo), Alan Pasqua/Richard Baker(k), David Margen(b), Graham Lear(ds), Orestes Vilato/Armando Peraza/Raul Rekow(per), Chris Solberg(bv), etc
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