Paul Anka / Listen To Your Heart (愛の旋律(しらべ)) (1978年) – アルバム・レビュー

2019年11月12日

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Paul Ankaの1978年のアルバム『Listen To Your Heart / 愛の旋律(しらべ)』の紹介です。

Paul Anka / Listen To Your Heart (愛の旋律(しらべ)) (1978年) フロント・カヴァー

Paul Ankaはカナダ出身のシンガー・ソングライター。「Diana」(57年, 米2位)、「Lonely Boy」(59年, 米1位)、「Put Your Head On My Shoulder」(59年, 米2位)、「Puppy Love」(60年, 米2位)などの大ヒット曲の作者であり、Frank Sinatraの代表曲である「My Way」の英詩を担当したことでも知られる。

60年代初めまでに隆盛を極めた大スターというイメージがあるが、その後も精力的に曲やアルバムを制作し、これまでに30枚近くのオリジナル・アルバムをリリース。また時流を捉える感度が高く、同郷のDavid Fosterのフレッシュな才能にも早くから注目し、アルバム制作に起用していた。

Paul AnkaがDavid Fosterを大きく起用するのは79年の次作『Headlines』からで、本作はその助走となる作品。D.Fosterは「I'm By Mysellf Again」と「Don't Ever Say Goodbye」をPaul Ankaと共作している。

その2曲を含めて、Paul Ankaが曲作りに携わったのは4曲(3, 6, 8, 9)のみ。残りは他作であり、このうちRobert Tepper等の書いた「This Is Love」はシングル・カットされ、Billboard Hot 100チャートの35位、ACチャートでは3位をマークした。なお、ラストの「Starmaker」はBruce RobertsとCarole Bayer Sagerの共作で、B.Robertsの77年のデビュー・アルバム『Bruce Roberts』からのセレクトである。

フレッシュでエレガントなポップ・ロック・サウンドに仕立てた次作のような華やかさはないが、生楽器主体の演奏と豊かなメロディを堪能できるアルバム。Paul Ankaの歌声も実に穏やかだ。この8月に、ソニーの「AOR CITY 1000」シリーズからめでたく世界初CD化されており、お薦め。

●収録曲
  1. Starting All Over Again / 愛の日をふたたび - 3:22
  2. This Is Love / これが愛 - 3:44
  3. I'm By Mysellf Again / 孤独のあじわい - 3:23
  4. You Spoiled Me / 恋は虚しく - 3:14
  5. Listen To Your Heart / 愛の旋律 - 3:35
  6. Don't Ever Say Goodbye - 3:58
  7. Let's Start It Over / 幸せの日を求めて - 3:14
  8. Love Me Lady - 3:01
  9. Brought Up In New York (Brought Down In L.A.) / 悲しみのフリーウェイ - 3:33
  10. Starmaker - 4:41

◆プロデュース: David Wolfert(g), Charles Koppelman, Gary Klein

◆参加ミュージシャン: Jay Graydon(g), Larry Muhoberac/Neil Larsen/Tom Hensley(k), Ian Underwood(sy), Dennis Belfield(b), Ed Greene(ds), Lenny Castro/Tom Roady(per), Lenny Pickett(lyricon), Tom Saviano/David Luell/Mike Carnahan(sax), Richard Cooper/Steve Madaio(tp), Dick Hyde(tb), Nick DeCaro(string ar), Carolyn Willis/Jim Haas(bv), etc

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