Leon Ware / Leon Ware (夜の恋人たち) (1982年) – アルバム・レビュー

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Leon Wareの1982年のアルバム『Leon Ware / 夜の恋人たち』の紹介です。

Leon Ware / Leon Ware (夜の恋人たち) (1982年) フロント・カヴァー

Leon Wareはアメリカのソウル・ミュージック・シーンで60年代から活動するソングライター。Michael JacksonやQuincy Jones、Minnie Riperton、Marvin Gayeなどに曲を提供しており、中でもMarvin Gayeの官能的な名作『I Want You』(76年)が有名。Leon Wareが自身のセカンド・アルバム用に用意した素材をMarvin Gayeが気に入り、Marvin Gayeのアルバムとして制作されたのが『I Want You』だといわれている。

本作『夜の恋人たち』はLeon Wareの5枚目のソロ・アルバム。David Paichの父のMarty Paichが共同プロデューサーとなり、PaichやDavid Foster、Bill Champlin、TOTOのメンバー等、AORのアルバムに馴染みのミュージシャンが多く参加した。その結果、Leon Wareらしい官能的なムードと、サウンドのAOR的な煌びやかさの両方をそなえたアルバムとなっている。

「Shelter」や「Deeper Than Love」の甘美で妖艶なムードはLeon Wareの持ち味。一方、「Slippin' Away」や「Lost In Love With You」のスタイリッシュなサウンドはAOR的。両方の良さがバランスした「Miracles」あたりもお薦めだ。

The Manhattan TransferのJanice Siegelとエレガントにデュエットする「Why I Came To California / カリフォルニアの恋人たち」や、Flora Purimのヴォーカルをフィーチャしたブラジリアン・ナンバーの「Somewhere」も聴きどころ。収録曲のレベルが高い。

「Lost In Love With You」におけるJeff Porcaroのシャープでセクシーなドラムスや、「Shelter」におけるBill Champlinの神々しいバック・ヴォーカルなど、サポート・ミュージシャンの技量にも唸らされる。ラストの「Where Are They Now」は、バラードの名手Richard Kerrの作。Leon Wareが艶やかな声で雄大に歌うが、寂しげなメロディとこの曲にだけ参加したLukatherのギターが優しくてグッとくる。

●収録曲
  1. Slippin' Away - 4:11
  2. Lost In Love With You - 3:52
  3. Shelter - 3:56
  4. Why I Came To California / カリフォルニアの恋人たち - 4:10
  5. Deeper Than Love - 3:23
  6. Can I Touch You There / 夜のささやき - 4:05
  7. Words Of Love - 4:35
  8. Miracles - 4:06
  9. Somewhere - 4:15
  10. Where Are They Now / 昨日と今日の間に - 4:21

◆プロデュース: Leon Ware, Marty Paich(k)

◆参加ミュージシャン: Janice Siegel(vo), Steve Lukather/Dean Parks/David T. Walker(g), David Paich/David Foster/Geoff Leib/Sonny Burke(k), Bill Champlin(k, bv), Chuck Rainey/Nathan East/Abraham Laboriel(b), Jeff Porcaro/James Gadson(ds), Airto Moreira/Laudier De Oliveira/Lenny Castro(per), Gato Barbieri(sax), Rita Coolidge/Bonnie Bramlett/Flora Purim(bv), etc

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