Larry John McNally / Fade To Black (1986年) – アルバム・レビュー

おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Larry John McNallyの1986年のアルバム『Fade To Black』の紹介です。

Larry John McNally / Fade To Black (1986年) フロント・カヴァー

Larry John McNallyはニューヨークを拠点に活動するシンガー・ソングライター。R&Bをベースにした渋い曲を書く人で、多くのアーティストが彼の曲を歌っている。1981年のファースト・アルバム『シガレット・アンド・スモーク』からは、8曲の収録曲のうち5曲がDevonsquare(ディヴォンスクエア)、Bruce Willis、Mavis Staples、Average White Band、Chaka Khan等にカヴァーされた。

この『Fade To Black』はセカンド・アルバム。プロデュースを担当したのは、Steely Danのプロデューサーとして知られるGary Katz。レコーディングはLAとNYで行われ、NYのレコーディングでは、Steely Danのアルバムでもお馴染みのElliot Scheinerがエンジニアを担当した。

フェードアウトして真っ暗になるという意味のタイトルについて、CDのライナー・ノーツの寄稿には、"ある意味でロサンジェルスの娯楽産業から顔を背けたことの証" と記されている。LAでの滞在中に感じた疎外感のようなものが反映されているようだ。

収録曲は全て自作で、そのうちの2曲を大物ミュージシャンが歌っている。まずは、10代の頃に愛聴したモータウン・サウンドへのオマージュがロマンティックに込められた「The Motown Song」。Rod Stewartが91年のアルバム『Vagabond Heart』でこの曲をカヴァーし、全米チャートの10位になるヒットを記録している。

もう1曲は「Long Drag Off A Cigarette」。Joe Cockerが84年のアルバム『Civilized Man』で歌い、Larry John McNallyもアコースティック・ギターで参加した。Larryのオリジナルも渋いけれど、Joe Cockerがしわがれた声で歌うバージョンが素敵すぎる。

小説から影響を受けたという曲があって、「The Beat Generation」はケルアックの『路上』、「Tar On The Roof」はジム・キャロルの『マンハッタン少年日記』、「In My Indiscretion」はレイモンド・カーヴァーに触発されたとのこと。もちろん、「James Dean」はスタインベックの『エデンの東』の影響を受けている。しっとりと弾き語るラストの「Tar On The Roof」が素晴らしい。

●収録曲
  1. My Obsession
  2. James Dean
  3. The Motown Song
  4. Switchblade
  5. Long Drag Off A Cigarette
  6. Chinatown
  7. The Beat Generation
  8. In My Indiscretion
  9. Tar On The Roof

◆プロデュース: Gary Katz, Larry John McNally(g, vo)

◆参加ミュージシャン: Buzzy Feiten/Dann Huff(g), Jimmy Haslip/Reggie McBride(b), André Fischer/Richard Feldman(ds), Richard Kelly(ds, k, sy), Michael Ruff(k, sy), Mitchell Froom(sy), Michael Fisher(per), Jude Johnstone/Leslie Smith(bv), etc

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