1975年,1976年のロック名盤
のちのアーティストに多大な影響を与え、ヒット・チャートに偉大な記録を残したロック名盤。このページでは、ロックの代表的なアルバムのうち、1975年, 1976年に発売された7枚のアルバム(Bruce Springsteen, Boz Scaggs, Joni Mitchell, Eaglesなど)をショート・レビューと共に紹介します。また、関連する他のアルバムや、同じアーティストの他の作品については、参考アルバムとして、アーティスト名とタイトル、発売年をリストします(14作品)。
アルバムのセレクションは、渋谷陽一氏の著書『ロック ベスト・アルバム・セレクション』(1988年, 新潮社)に準拠しました。バイヤーズのための決定版と言える名ガイド・ブック。私も愛読しました。
1975年, 1976年を代表する7枚のアルバム
Bruce Springsteen / Born To Run
●313: Bruce Springsteen / Born To Run (1975年)
Bruce Springsteenの代表作の一つに挙げられるサード・アルバム。全米3位を記録するヒットとなり、初の全米トップ10入りを果たした。疾走感みなぎる「Born to Run / 明日なき暴走」や「Thunder Road」のような熱いナンバーは、ワーキング・クラスの若者達を中心に圧倒的な支持を獲得した。
<参考アルバム>
○314: Bruce Springsteen / Darkness On The Edge Of Town (1978年)
○315: Bruce Springsteen / Nebraska (1982年)
Bob Marley & The Wailers / Live
●316: Bob Marley & The Wailers / Live (1975年)
Bob Marley率いるレゲエ・バンド、The Wailersのロンドンでのライヴを収録したアルバム。前年に、The Wailersの「I Shot the Sheriff」をEric Claptonがカヴァーし、全米1位のヒットを記録した。「I Shot the Sheriff」の他、「No Woman, No Cry」、「Get Up, Stand Up」といった代表曲の名演を聴くことができる。
<参考アルバム>
○317: Bob Marley & The Wailers / Burnin’ (1973年)
○318: Black Uhuru / Chill Out (1982年)
Patti Smith / Horses
●319: Patti Smith / Horses (1975年)
70年代のニューヨークのパンク・シーンを牽引したPatti Smithのデビュー・アルバム。元Velvet UndergroundのJohn Caleがプロデュースを担当した。シングル・カットされた「Gloria」は、Van MorrisonがThem時代に作った曲のカヴァー。これを、Patti Smithがオリジナル曲「In Excelsis Deo」とのメドレーに仕立てた。
<参考アルバム>
○320: New York Dolls / New York Dolls (1973年)
○321: Laurie Anderson / Big Science (1982年)
Boz Scaggs / Silk Degrees
●322: Boz Scaggs / Silk Degrees (1976年)
ソウル・ミュージックやジャズの要素を取り入れた洗練されたソフトなロックである「AOR」が人気を得るきっかけとなったアルバム。後にTOTOを結成するメンバー等、ロサンゼルスの一流のセッション・ミュージシャンが参加し、「Lowdown」、「Lido Shuffle」、「We’re All Alone」などのヒット曲、有名曲を生んだ。
<参考アルバム>
○323: Boz Scaggs / Boz Scaggs (1969年)
○324: TOTO / TOTO IV (1982年)
Joni Mitchell / Hejira
●325: Joni Mitchell / Hejira (1976年)
才能あふれるシンガー・ソングライターであるJoni Mitchellを代表する一枚。Jaco Pastorius(b)、Larry Carlton(g)、Tom Scott(horns)等、ジャズ界のミュージシャンが参加している他、Neil Youngもハーモニカで参加。モノトーンの美しすぎるジャケットも自らデザインしたものである。
<参考アルバム>
○326: Joni Mitchell / Blue (1971年)
○327: Joni Mitchell / Court And Spark (1974年)
Jackson Browne / The Pretender
●328: Jackson Browne / The Pretender (1976年)
Jackson Browneの4枚目のアルバム。アルバム制作途中で妻が自殺する悲劇に見舞われたこともあり、個人的・内省的な内容であるが、ソング・ライティングの力により普遍的な魅力を獲得している。ヒット・チャートの上位を記録した訳ではないが、人気の高いアルバムである。
<参考アルバム>
○329: Jackson Browne / Late For The Sky (1974年)
○330: Jackson Browne / Running On Empty (1977年)
Eagles / Hotel California
●331: Eagles / Hotel California (1976年)
70年代のアメリカ西海岸のロック・シーンを代表するバンドであったEaglesの傑作。人々がウェスト・コーストに対して抱く憧れやアメリカの夢のようなものを否定する苦い内容だが、粒揃いの楽曲により大ヒットを記録し、グラミー最優秀レコードを受賞。タイトル曲の深い歌詞や、エンディングの見事なギターのリフレインは、時代を超える説得力を持つ。
<参考アルバム>
○332: Eagles / Desperado (1973年)
○333: Don Henley / Building The Perfect Beast (1984年)
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