1970年のロック名盤
のちのアーティストに多大な影響を与え、ヒット・チャートに偉大な記録を残したロック名盤。このページでは、ロックの代表的なアルバムのうち、1970年に発売された16枚のアルバム(Elton John, Simon & Garfunkel, Neil Young, John Lennonなど)をショート・レビューと共に紹介します。また、関連する他のアルバムや、同じアーティストの他の作品については、参考アルバムとして、アーティスト名とタイトル、発売年をリストします(32作品)。
アルバムのセレクションは、渋谷陽一氏の著書『ロック ベスト・アルバム・セレクション』(1988年, 新潮社)に準拠しました。バイヤーズのための決定版と言える名ガイド・ブック。私も愛読しました。
- 1. 1970年を代表する16枚のアルバム
- 1.1. Grand Funk Railroad / Grand Funk
- 1.2. Elton John / Elton John
- 1.3. Leon Russell / Leon Russell
- 1.4. Simon & Garfunkel / Bridge Over Troubled Water
- 1.5. Neil Young / After The Gold Rush
- 1.6. Crosby, Stills, Nash & Young / Deja Vu
- 1.7. The Who / Live At Leeds
- 1.8. Free / Fire And Water
- 1.9. Santana / Abraxas
- 1.10. Traffic / John Barleycorn Must Die
- 1.11. Rod Stewart / Gasoline Alley
- 1.12. Pink Floyd / Atom Heart Mother
- 1.13. Emerson, Lake & Palmer / Emerson, Lake & Palmer
- 1.14. John Lennon & Plastic Ono Band / Plastic Ono Band
- 1.15. James Taylor / Sweet Baby James
- 1.16. Jimi Hendrix / Jimi Plays Monterey
1970年を代表する16枚のアルバム
Grand Funk Railroad / Grand Funk
●134: Grand Funk Railroad / Grand Funk (1970年)
ギター、ベース、ドラムスの3人編成のロック・バンド、Grand Funk Railroadのセカンド・アルバム。オーソドックスなハード・ロックであるが、キャッチーな楽曲とパワフルな演奏により、米国のみならず日本でも圧倒的な人気を得た。
<参考アルバム>
○135: Grand Funk Railroad / We’re An American Band (1973年)
○136: Mitch Ryder & The Detroit Wheels / Greatest Hits (1981年) (現在入手困難)
Elton John / Elton John
●137: Elton John / Elton John (1970年)
初期の名曲「Your Song / 僕の歌は君の歌」を収めたセカンド・アルバム。優れた作詞家であるBernie Taupinと、優れたメロディ・メーカーであるElton Johnの相性の良さが実を結んだ最初の作品。
<参考アルバム>
○138: Elton John / Greatest Hits (1974年)
○139: Elton John / Goodbye Yellow Brick Road (1973年)
Leon Russell / Leon Russell
●140: Leon Russell / Leon Russell (1970年)
名曲「A Song For You」を収めたソロ・デビュー作。一流のセッション・ミュージシャンとして既に10年以上のキャリアがあり、その実績から、Mick Jagger、George Harrison、Ringo Starr、Eric Clapton、Steve Winwood、Joe Cocker等、信じられないような豪華ミュージシャンが参加した。
<参考アルバム>
○141: Leon Russell / Best Of Leon Russell (1986年) (LPならば入手可能)
○142: Joe Cocker / Mad Dogs & Englishmen (1970年)
Simon & Garfunkel / Bridge Over Troubled Water
●143: Simon & Garfunkel / Bridge Over Troubled Water (1970年)
「Bridge over Troubled Water / 明日に架ける橋」、「El Condor Pasa / コンドルは飛んで行く」、「Cecilia / いとしのセシリア」、「The Boxer」などの有名曲を収めた、Simon & Garfunkelのラスト・アルバム。多くの国のチャートで大ヒットを記録し、最優秀アルバム賞を含むグラミー賞の6部門を受賞。記録的なセールスをあげた。
<参考アルバム>
○144: Simon & Garfunkel / Bookends (1968年)
○145: Simon & Garfunkel / Greatest Hits (1972年)
Neil Young / After The Gold Rush
●146: Neil Young / After The Gold Rush (1970年)
Buffalo SpringfieldやCSN&Yのメンバーとして活躍したNeil Youngのソロとしての3枚目。キャリアを代表するアルバムであり、率直で荒削りな表現により、根強い男性ファンを数多く獲得した。
<参考アルバム>
○147: Neil Young / Tonight’s The Night (1975年)
○148: Neil Young / Rust Never Sleeps (1979年)
Crosby, Stills, Nash & Young / Deja Vu
●149: Crosby, Stills, Nash & Young / Deja Vu (1970年)
元Buffalo SpringfieldのStephen Stills、元ByrdsのDavid Crosby、元HolliesのGraham Nashが結成したCS&Nに、元Buffalo SpringfieldのNeil Youngが加わり、CSN&Yを結成。米国西海岸のロック・シーンの最高の人気グループとなった。4人の個性が見事にバランスした完成度の高いアルバムであるが、当時のスタジオ・アルバムはこの1枚のみ。その後、1988年と1999年に1枚ずつアルバムを残している。
<参考アルバム>
○150: Crosby, Stills, Nash & Young / 4 Way Street (1971年)
○151: Manassas / Manassas (1972年)
The Who / Live At Leeds
●152: The Who / Live At Leeds (1970年)
英米ではThe BeatlesやThe Rolling Stonesと肩を並べる人気を得ていたThe Who。エネルギッシュで激しいステージ・パフォーマンスで定評のあった彼らの熱いステージの模様を収録した名ライヴ・アルバム。
<参考アルバム>
○153: The Who / Sings My Generation (1965年)
○154: The Who / Sell Out (1967年)
Free / Fire And Water
●155: Free / Fire And Water (1970年)
Paul Rodgers(vo)率いる英国の4人組ハード・ロック・バンド、Freeのサード・アルバム。大ヒット曲「All Right Now」を収録した彼らの代表作である。Paul Rodgersの力量あるヴォーカルと、英国らしい重く沈んだリズムが持ち味。
<参考アルバム>
○156: Free / Heartbreaker (1973年)
○157: Bad Company / Bad Company (1974年)
Santana / Abraxas
●158: Santana / Abraxas (1970年)
Santanaのセカンド・アルバム。ラテンのリズムと音を取り入れた独自のロック・サウンドを開拓した。Freetwood MacのPeter Green作「Black Magic Woman」や、ラテンナンバー「Oye Como Va / 僕のリズムを聞いとくれ」、官能的なバラード「Samba Pa Ti / 君に捧げるサンバ」を収めた人気作。
<参考アルバム>
○159: Santana / Caravanserai (1972年)
○160: Los Lobos / How Will the Wolf Survive (1984年)
Traffic / John Barleycorn Must Die
●161: Traffic / John Barleycorn Must Die (1970年)
1968年に一旦解散するも、Steve Winwoodを中心に、Chris Wood(sax, flute)、Jim Capaldi(ds)の3人で再結成した新生Trafficのアルバム。ソウルやジャズ、R&Bといった、Steve Winwoodが自身のやりたい音楽を追求した渋いサウンド。
<参考アルバム>
○162: Steve Winwood / Arc Of A Diver (1980年)
○163: Steve Winwood / Back In The Highlife (1986年)
Rod Stewart / Gasoline Alley
●164: Rod Stewart / Gasoline Alley (1970年)
Rod Stewartのソロ活動の第二作目。Ronnie Wood(g)やRonnie Lane(b)等、Facesのメンバーが参加し、サウンド的にもFacesのアルバムと似ている。9曲中の6曲が他人の曲であるが、独特の乾いたハスキー・ヴォイスで伸び伸びと歌う、気持ちの良いアルバム。
<参考アルバム>
○165: Rod Stewart / Every Picture Tells a Story (1971年)
○166: Rod Stewart / Atlantic Crossing (1975年)
Pink Floyd / Atom Heart Mother
●167: Pink Floyd / Atom Heart Mother (1970年)
Pink Floydの人気と評価を決定づけた初期の名作。直訳すると “原子心母" となるタイトル曲は、A面全部を占める組曲。25分の長い曲を大げさな演出なく、ストイックに作り込んでいる。B面1曲目の「If」も、Roger Watersの透明な感性が光る名曲である。
<参考アルバム>
○168: Syd Barrett / Barrett (1970年)
○169: Pink Floyd / Piper At The Gates Of Dawn (1967年)
Emerson, Lake & Palmer / Emerson, Lake & Palmer
●170: Emerson, Lake & Palmer / Emerson, Lake & Palmer (1970年)
The NiceのKeith Emerson(key)、King CrimsonのGreg Lake(b, vo)、Atomic RoosterのCarl Palmer(ds)の3人が結成したプログレッシヴ・ロック・バンドのファースト・アルバム。Moog Synthesizer(モーグ・シンセサイザー)を駆使した重厚で攻撃的なサウンドは、当時のロック・ファンに驚きを与えた。
<参考アルバム>
○171: The Nice / Five Bridges Suite (1970年)
○172: Emerson, Lake & Palmer / Pictures At An Exhibition (1971年)
John Lennon & Plastic Ono Band / Plastic Ono Band
●173: John Lennon & Plastic Ono Band / Plastic Ono Band (1970年)
The Beatles解散後のJohn Lennonのファースト・ソロ・アルバム。「Mother」、「Love」、「God」などの重たいテーマをJohnらしい批評性とピュアな感性で切実に歌い、ファンに衝撃を与えた。
<参考アルバム>
○174: John Lennon / Imagine (1971年)
○175: John Lennon / Double Fantasy (1980年)
James Taylor / Sweet Baby James
●176: James Taylor / Sweet Baby James (1970年)
James Taylorのセカンド・アルバム。「Fire And Rain」が大ヒットし、シンガー=ソングライター・ブームのきっかけとなった。翌年に『Tapestry / つづれおり』をヒットさせ、女性シンガー=ソングライター・ブームを牽引することになるCarole Kingも参加している。
<参考アルバム>
○177: James Taylor / JT (1977年)
○178: Carly Simon / No Secrets (1972年)
Jimi Hendrix / Jimi Plays Monterey
●179: Jimi Hendrix / Jimi Plays Monterey (1970年)
1970年に夭折した天才ギタリスト、Jimi HendrixのMonterey Pop Festivalでのステージの模様を収めたライヴ・アルバム(発売は1986年)。最後にギターを燃やすシーンが有名であるが、ギターという楽器が表現できる限界まで、内なる情念を表現しようとした壮絶なライヴ。
<参考アルバム>
○180: Jimi Hendrix / Crash Landing (1975年)
○181: Jimi Hendrix / Live At Winterland (1987年)
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