おすすめのCDボックス・セット（ポップ、ロック）

2019年10月1日

ロック、ソウル、ジャズなど、さまざまなジャンルのCDボックス・セットが相次いで発売されています。レコード・ジャケットを模した紙ジャケットにCDを収めているものが多く、コンパクトなパッケージでありながらCDの収納枚数が多いことが特徴。その結果、CD1枚あたりに換算すると数百円～1,000円未満のものが多く、アルバムを個別に収集するよりも手間、コスト、収納スペースの面でお得感があります。

そればかりでなく、未発表音源やボーナス・トラックが収録されていたり、入手困難で高値になっていたレア盤が含まれていたり、デジタル・リマスタリングされていたりと、内容、希少性、音質面でも魅力的。

解説や歌詞が付属しないセットもありますが、一方で豪華なブックレットが付属するセットもあります。

そうした魅力的なCDボックス・セットのうち、このページでは、ポップ、ロックのおすすめのセットを紹介します。

ポップ、ロックのCDボックス・セット

ポップ、ロックのジャンルでは、例えば次のようなCDボックス・セットが発売されています。

主だったものについて、パッケージ内容を紹介しましょう。

Bob Dylan / Complete Columbia Albums Collection

Bob Dylanのスタジオ・アルバム35作品（37CD）、ライヴ・アルバム6作品（8CD）に、ボーナス・トラック集（2CD）を加えた、47CDのBOXセットです。2013年11月にSony Legacyから発売されました。

スタジオ・アルバムは、1962年のデビュー作『Bob Dylan』から2012年の『Tempest』までの35作品。ライヴ・アルバムは、『Before the Flood』『Hard Rain』『Bob Dylan at Budokan』『Real Live』『Dylan & The Dead』『MTV Unplugged』の6作品です。

全41作品のうち14作品は最新リマスタリングが施されており、『Side Tracks』と題されたボーナス・トラック集（2CD）には、アルバム未収録シングルやコンピレーション盤の収録曲、映画挿入曲などを収録しています。また、ハードカバーの分厚いブックレットが付属し、紙ジャケットはSony Legacyの他のBOXセットと同様、背表紙のある丁寧な作りで、『Blonde on Blonde』『Self Portrait』『Before the Flood』『The Basement Tapes』『Bob Dylan at Budokan』『Side Tracks』は見開きジャケットになっています。

Chicago / Studio Albums 1969-78

Chicagoのデビュー作から12作目の『Hot Streets』まで、ライヴ盤とベスト盤を除いたオリジナル・アルバム10作品を収めたBOXセットです。2002年のデジタル・リマスター盤で、ボーナス・トラックが収録されており、文句なしの内容です。

デビュー作から順番に聴いてみると、初期の汗臭い感じのブラス・ロックから、次第に都会的な洗練されたサウンドに変わっていく様子が分かります。12作目の『Hot Streets』は、金澤寿和さんの著書『AOR・ライトメロウ』にも紹介されているAORの名盤です。

Eagles / Studio Albums 1972-1979

Eaglesの70年代のスタジオ・アルバム6作品を全て収めたBOXセットです。発売は2013年3月。『The Long Run』を除いて、デジタル・リマスター処理が施されています(*)。
(*)アマゾンのカスタマー・レビューによる情報

Joni Mitchell / Studio Albums 1968-1979

女性シンガー・ソング・ライターの最高峰、Joni Mitchellの1968年のデビュー以降の10作品を収めたBOXセットです。2012年11月にRhinoレーベルから発売されました。

全てのアルバムが見開きの紙ジャケットに収められており、他のBOXセットと比べて作りが丁寧な印象を受けます。Jaco Pastoriusが参加した『Hejira / 逃避行』『Don Juan’s Reckless Daughter / ドンファンのじゃじゃ馬娘』『Mingus』の3作品や、最高傑作と言われる『Blue』『Court and Spark』など、どの作品にも高い音楽性と芸術性を感じることができます。

Roxy Music / The Complete Studio Recordings 1972-1982

Roxy Musicの結成40周年を記念したボックス・セットです。2012年8月にVirgin UKから発売されました。

8枚の全オリジナル・アルバムに加え、ボーナス・トラックを2枚のCDに収録した10枚組みのパッケージです。デジタル・リマスターではありませんが、紙ジャケットが全てダブル・ジャケットとなっており、しっかりしたパッケージの作りがポイントです。

Ry Cooder / Albums 1970-87

Ry Cooderのデビューから1987年までの全オリジナル・アルバムを収めたBOXセットです。2013年11月にRhinoレーベルから発売されました。

Ry Cooderは80年代前半に『Paris, Texas』などの映画音楽を多く手がけていますが、それらを除く初期～中期の全作品を揃えることができる優れたBOXセットです。

Simon & Garfunkel / The Collection Box set

Simon & Garfunkelのオリジナル・アルバム5作品（5CD）と、1981年に開催された有名なセントラル・パーク・コンサートのDVD映像（PAL方式）を収めたBOXセットです。2007年9月にSonybmgから発売されました。CDはデジタル・リマスター盤で、ボーナス・トラックも収録されており、背表紙のある紙ジャケットに収納されています。

Simon & Garfunkelは、作詞・作曲の両面で優れた感性を持つPaul Simonと、天使の歌声と呼ばれるArt Garfunkelによるデュオ。オリジナル・アルバムは5作品しかありませんが、どれもクオリティの高い内容です。

2014年11月には、Sony Legacyから12CDのBOXセット『Simon & Garfunkel: The Complete Albums Collections』も発売されています。

The Smiths / Complete

The Smithsの全作品を収めたBOXセットです。2011年10月にWea/Rhinoレーベルから発売されました。

The SmithsはUKのロック・バンド。メンバーは、Morrissey(vo), Johnny Marr(g), Andy Rourke(b), Mike Joyce(ds)の4人で、活動期間は約5年と短いですが、Morrisseyの優れた歌詞、Johnny Marrの高い音楽性と美しいギターとが相まって、若者を中心に熱狂的な支持を得ています。

このBOXセットは、スタジオ・アルバム（4作品）とライブ・アルバム『Rank』に加え、コンピレーション・アルバム（3作品）を収めており、サウンドもJohnny Marrの監修のもとにリマスタリングされています。また、紙ジャケットに関しても、全作品に内袋を付けたり、ジャケットや内袋に歌詞を印刷するなど、凝った作りになっています。

10cc / Classic Album Selection (1975-1978)

ブリティッシュ・ロックの名バンド、10ccの5作品、6CDのBOXセットです。2012年11月にUniversal UKから発売されました。

英1位・米2位を記録した名曲「I’m Not In Love」を収録した『The Original Soundtrack』（75年）から『Bloody Tourists』（78年）までの4枚のスタジオ・アルバムと、ライヴ・アルバム『Live And Let Live』（77年, 2枚組）を収録しています。CDはデジタル・リマスター、ボーナス・トラック付きです。ブックレットは付属しませんが、各アルバムが見開きの紙ジャケットに収められ、かつシールドまでされている丁寧な作りです。

ZZ Top / The Complete Studio Albums 1970-1990

ZZ Topのデビュー以降のオリジナル・アルバム10枚を収めたBOXセットです。発売は2013年6月。

収録アルバムのうち『ZZ Top’s First Album』『Rio Grande Mud』『Tejas』の3枚は “original audio tape versions" での初CD化です。また『Hombres』と『Fandango』は “original masters" です。同じ年の8月には、この10タイトルがSHM-CD、紙ジャケットでリイシューされています。