Journey(ジャーニー)はアメリカ西海岸を代表するロック・バンドです。
1973年の結成から現在に至るまで活動し、全世界で8,000万枚以上のセールスを記録するモンスター・バンドです。
「Open Arms」、「Don't Stop Believin'」、「Separate Ways」などの代表曲は、映画やCMの挿入曲として起用されています。
また、これらを含むベスト盤『グレイテスト・ヒッツ~永久の旅~』(1989年発売)は、米国だけで1,500万枚以上、全世界では2,500万枚以上を売り上げるベスト・セラーです。
Santanaに在籍したNeal Schon(ニール・ショーン)(g)とGregg Rolie(グレッグ・ローリー)(key, vo)を中心に結成した初期のJourneyは、長尺で複雑な構成の楽曲と、高度な演奏テクニックを持ち味とするプログレッシヴ・ロック・バンドでした。
その後、約40年にわたる長いバンド活動の間に、何回かのメンバー・チェンジを経て、サウンド的にも変化しています。
オリジナル・アルバムは14作品ありますが、その中から、Journeyのこれぞ名盤という作品を6枚厳選し、紹介します。
『Escape』、『Frontiers』、『Raised On Radio~時を駆けて』の3枚です。
Journeyが商業的に最も成功した時期であり、Journeyを代表するヒット曲、ヒット・アルバムが生まれた時期です。
Journeyが全世界的な成功を収めた記念すべきアルバムです。
アルバムはバンドにとって初の米1位を記録し、全世界で1,000万枚以上を売り上げました。
『Escape』というタイトルとは裏腹に、希望に満ち、情熱的でポジティブな印象を与える清々しい作品です。
本作からは、「Don't Stop Believin'」、「Who's Crying Now」、「Still They Ride」、「Open Arms」といった大シングル・ヒットが次々と生まれました。
「Don't Stop Believin'」は、日本では車のCM曲として使われ、アメリカでは2009年のテレビ・ドラマ『Glee / グリー』でカバーされ、リバイバル・ヒットしました。
また、「Open Arms」は、2004年の邦画『海猿』の主題歌に起用され、注目を集めました。
世界的なヒットとなった前作に匹敵する、内容の濃い作品です。
Michael Jacksonの『Thriller』に阻まれ、ビルボード・チャートの1位こそ獲得できなかったものの、9週連続で2位を記録しています。
本作からは、「Separate Ways」、「Send Her My Love」、「After the Fall」、「Faithfully」というシングル・ヒットが生まれました。
サウンド的には前作よりもハード・ロック色が強く、重厚な音造りになっています。
本作リリース後、メンバーはソロ活動でも成功を収めます。ヴォーカルのSteve Perryは、翌1984年に『Street Talk』をリリースし、「Oh Scherry」を大ヒットさせました。
同年に、ギタリストのNeal Schonも、Sammy Hager(サミー・ヘイガー)、Kenny Aaronson(ケニー・アーロンソン)、Santana時代の盟友Michael Shrieve(マイケル・シュリーヴ)とHSASを結成し、名作『炎の饗宴』をリリースします。
黄金期Journeyの最後のアルバムであり、米4位を獲得しますが、本作をもってバンドは一旦解散します。
Steve Smith(ds)とRoss Valory(b)は実質的にはバンドを離れており、Steve Perry(vo)、Neal Schon(g)、Jonathan Cain(ジョナサン・ケイン)(key)の3人を中心に制作したアルバムです。
アメリカのラジオ文化に思いを馳せたノスタルジックな作風であり、ハード・ロック色の強い前作とは異なり、AORやメロディアス・ロック色の強い、聴きやすいサウンドに仕上がっています。
本作からは、「Girl Can't Help It」、「Suzanne」、「Be Good To Yourself」、「I'll Be Alright Without You」がシングル・ヒットしました。
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紹介するのは、『Infinity』、『Evolution』、『Departure』の3枚です。
大ブレイクする『Escape』への助走となる重要作です。
個性的なヴォーカルの持ち主であるSteve Perryが加入し、サウンドが大きく方向転換した作品です。
それまでのJourneyは長尺で複雑な構成の楽曲を持ち味としていましたが、本作からはヒット性の高いキャッチ―なサウンドに変化しています。
実際に「Lights」、「Wheel In The Sky」というヒット曲が生まれ、アルバムも米21位を記録しました。
本作から、ドラマーがSteve Smithに交代します。
Steve Smithは、Jean Luc Pontyの名作『』などでの活躍が知られる職人気質のジャズ・ドラマーです。
Steve Smithの加入により、Journeyのサウンドはより一層安定感を増します。
本作からは、歴代の代表曲となる「Lovin', Touchin', Squeezin'」や「Too Late」がシングル・ヒットしました。
アルバムは米20位を記録します。
前作と同じメンバーで制作され、「Any Way You Want It」がシングル・ヒットし、アルバムは米8位を記録。
ついにトップ10へのランク・インを達成します。
本作を最後に、結成メンバーの一人であったGregg Rolie(key、vo)が脱退し、後任として、当時Journeyの前座を務めていたBabysのJonathan Cainが参加します。
2007年にフィリピン人シンガーのArnel Pineda(アーネル・ピネダ)が新ヴォーカリストとして加入します。
声質や歌い方がSteve Perryとそっくりなフィリピン人シンガーという点が注目され、加入後のアルバム『Revelation』は、
米ビルボード・チャートの5位を記録する久々の大ヒットとなりました。
2011年には『Eclipse』をリリースし、2012年にはArnel PinedaのJourney加入までの歩みを描いたドキュメンタリー映画『Don't Stop Believin': Everyman's Journey』が公開されました。
2013年3月には来日して武道館公演も果たし、再び注目を集めています。